人間の心理状態を数値化し管理する近未来社会を舞台に、正義を問われる警察機構を描くオリジナルTVアニメーション作品「PSYCHO-PASS サイコパス」。同シリーズ最新作となる『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』が全国公開中。今回は常守朱役の花澤香菜、狡噛慎也役の関智一、宜野座伸元役の野島健児にインタビューを行い、作品への思いなどを聞いた。
――今回の映画が決まった際のご感想をお聞かせください
関「実は、以前からシリーズ全体の構想は聞いていたんです。ただ、それがいつになるのかは分からなくて、『いよいよ"あれ"をやるんですね』という感じでした」
――本作では2019年公開の劇場三部作『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』とTVアニメ三期の間に起きた事件が描かれますが、収録時にその点についてお話はあったんですか?
関「聞いたんだよね。監督に」
野島「そう。『これ、初めから本当にこういう内容を作って考えてたんですか?』って。監督は『大枠は作っているけど、細かい部分はその時々にどんどんブラッシュアップして入れ込んでいった』と言っていました」
花澤「三期をやっていた時は、まだ今回の映画の内容を説明されていなかったので、この台本をいただいてから知った事実もあって。私も『なんで朱ちゃん、捕まっていたんだろう』と思っていたのですが、そのことが分かって、その理由にもびっくりしました。本当によくできているな、と思いました」
――10周年を迎えた「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズですが、ご自身が演じているキャラクターについて「ここは変わっていないな」と思う部分を教えてください
野島「ギノさんは、第一期ではお父さんに対してものすごく憤りを感じていたり、敵視してしまうみたいなところがあったけど、それは愛情の裏返しで。その時はまだ気がついていない部分でもあるんですが、そういう経験が今回の『PROVIDENCE』でも、狡噛さんに対して"愛ゆえに怒ってしまう"みたいな部分があります。まだギノさんの心の中に残っているところが彼らしいし、ギノさんにはまだこれから変われる部分がたくさんあって、ここから自分の心と向き合って行った先に、ギノさんはどういう大人になるんだろう?みたいなことも考えられる隙があったりして。その辺が変わらない部分であり、これからまたどう変わっていくのか楽しみな部分でもありました」
関「優れた他者に委ねて自分達の行く末を占うみたいな世の中でも、狡噛はすべてを自分で決めて、汚れ仕事も罪になるかもしれないけど自分で決めてやる、みたいな部分はずっと変わってないんじゃないかなという気がします。シビュラシステムのアンチテーゼとして存在し続けるというのは、多分、狡噛と常守が半々にそれを担って、どういうアプローチでアンチテーゼとして存在するのかというパターンが2個あって、そのうちの1つとして責任を問い続けていると感じています」
花澤「朱ちゃんは『人は法で裁かれるべきである。罪は償ってほしい』というところは本当にずっと一貫してあるし、多分、狡噛さんをドミネーターで撃ったあの時から、自分の中での犯罪との向き合い方みたいなところで、あまり変わってないんだろうなというところはありますね。彼女自身、誰に対しても誠実に接しているところはずっと変わらなくて、素敵なところだなと思います」
放送情報
劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE
2023年5月12日より全国公開中
公式サイト:https://psycho-pass.com/
詳しくはこちら