「AD-LIVE」出演常連の津田健次郎と森久保祥太郎が挑んだのは"SF大作"?

そんな怒涛の展開に観客があっけにとられる中、「これは想定外の出来事だ」という神の戸惑いの声が会場に響き、客席から同意の笑い声が上がる。その後、「観ていたか。今のが君とも縁が深いンケダツが命を落とした瞬間だ」という声が。すると、舞台にスポットライトが当たり、森久保のシルエットが浮かび上がる。「いろんな意味で目を覆いたくなりました」という彼の返答に会場から大きな拍手が送られる中、神は「想定外の死を迎えたンケダツが、人生をやり直すのを手伝って欲しい」と依頼。ンケダツが本来辿り着くべき未来へ向けての手伝いを完了したら、「今、日曜の夜に放送しているドラマを最終回まで観たい」というその人物の願いを叶えることを約束した。そして、「ンケダツの小学生時代の友だち・友田千尋(ともだちひろ)」という今だけの人格を与えられ、ンケダツの人生をやり直すためのサポートをすることになる。

「やりなおしの部屋」と呼ばれる場所で、ホバックと名付けられた宇宙人に抱きかかえられたままのンケダツと顔を合わせた友田。そこから2人は協力して、「50年前のお城」など、ンケダツの過去の出来事が起きた場所を訪れ、真実の結末に辿り着こうと奮闘する。「50年前のお城」では、アドリブワードから生み出された「翡翠の海の漢方薬」という、1歳年を取ることができる小道具が現れたり、やりなおしの部屋に戻ったンケダツが、「最後まで(体力が)持たない」と遂にホバックを脱いだりなど、「AD-LIVE」だからこそ可能な演出やハプニングによって、観客はもちろん、ステージ上にいるキャストも予測できない方向へと物語が進んでいく。
さらに鈴村演じるムラリンとンケダツによる「たたいて、かぶって、ジャンケンポン」ゲームは、観客を爆笑の渦へ巻き込む。果たして物語の結末は...?

津田と森久保という「AD-LIVE」出演常連者かつ屈指の役者魂を持つ二人すらも翻弄される、まさに即興劇らしさが炸裂した東京公演2日目。ステージに立った役者陣の熱演によって辿り着いた、誰もが予想しえなかった結末こそ、「AD-LIVE」シリーズの魅力といえる。

取材・文=中村実香

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公演情報

AD-LIVE 2023
東京特別公演:2023年11月11日(土)、12日(日)

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