――月をモチーフとしたタイトル「シンゲツ」にはどんな思いを込めましたか?
楠木「(『魔王学院の不適合者Ⅱ』の)2クール目のキービジュアルでも月が印象的に描かれていますし、『雪月花』というワードも原作の方で出てきたりするので、月を題材にしたいなというのがありました。そして、原作小説を読ませていただく中で、『登場人物たちが自分の意思でいろいろなことを決定していく』というところが物語の核になっているような気がしていて。各キャラクターが、自ら積み重ねてきた過去を踏まえて、自分の意思で未来を決めたり、こうなりたいという願いを抱いたりする部分を表現したいなと思ったんです。そして、新月には『願いを託すと、満月になる過程で叶っていく』という言い伝えがあるみたいで、そんな逸話の存在からも、『魔王学院』の物語と月との親和性を感じましたし、『これからの自分を信じて、願いを託し、願いを叶えていく』という登場人物たちの努力や希望をこの楽曲で描きたくて、このタイトルにしました」
――ご自身で作詞・作曲をされたカップリング曲「MAYBLUES」制作の裏話があったら教えてください
「TETSUYAさんが作られる楽曲と1対1で並んでしまうということで、プレッシャーがありました。今回のシングルは5月リリースなので、『その時期に聴きたい曲』というところで、『五月病』をテーマにしました。今までは皆さんにしっかり向き合って聴いていただく楽曲が多かったんですが、今回はいい意味で聴き流せるというか、作業中やドライブ中に聴いていただけるような楽曲にしたいなというところでも、挑戦的な楽曲だったと思います」
――今年の夏は、7月に「日比谷公園大音楽堂」(以下「野音」)、8月には「大阪城音楽堂」での野外ライブを予定されていますね
「野音は、本当に憧れの舞台だったんです。私が好きなアーティストさんも、野音でライブをされている方が多くて。その上、もう少しで改修工事が始まるところだったので、その前に立ってみたいという夢があって。スタッフさんに『野音に立ってみたいんですよね』と言ったら『え、そうなの?じゃあ応募してみよう!』みたいな感じで話が進みました。野音のスケジュールって、抽選で決まるんですけど、なんと初めてのエントリーで当たりまして!すごく幸運なチケットを握り締めて、野音に立てるということが、まずはすごく嬉しいポイントですね。あと、楠木ともりとしての野外ライブが初めてなんです。私にとっても、皆さんにとっても貴重な時間になったらなと思います」
――新曲のリリースを楽しみにされている皆さんにメッセージをお願いします
「TVアニメ『魔王学院の不適合者Ⅱ』2ndクールエンディングテーマを歌わせていただくことになりました。私が憧れている、大好きなTETSUYAさんから提供していただいた曲という点と、初めてのタイアップ作品であった『魔王学院の不適合者』のエンディングを再び担当させていただけるという点で、自分にとってすごく大事な楽曲になりました。皆さんにもたくさん聴いていただきたいので、歌詞もメロディーラインも隅々までお楽しみいただけたらと思います!」
撮影=皆藤健治 取材・文=中村実香
リリース情報
「シンゲツ」
2024年5月8日CDリリース
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