――目線を変えると、印象がガラッと変わるキャラクターですよね
「そうですね。この作品の登場⼈物たちって、魔王が当たり前のように登場してくるような世界観で描かれているので、どのキャラクターも重要な役割を持っていて、みんな存在感が際⽴っているんですよ。そもそもティナーシャも伝説級の魔⼥ですし。他のキャラクターたちがそれぞれ存在意義を持ってる中で、ヴァルトもその⼀員として、実は役割に徹しているだけで、彼の⼈間らしい優しさや責任感、愛情を意識して演じました」
――ヴァルトとミラリスの関係性についてはどう見ていますか?
「Act.1の少ない登場シーンの中でも、ヴァルトからミラリスへの思いや、ミラリスがヴァルトをどう感じているのか という思いが伝わってきていたと思うので、そこまで2⼈を結びつけるものは何なのか、その答えを深めていくのがAct.2の物語だと感じていて。⼈間としての優しさや責任感、愛情のうち、愛情に関しては、特にミラリスへの想いが強いのかなと思っています。もちろん、彼が背負っている使命感からくるものもあると思うのですが、それ以上に『ミラリスを悲しませたくない』『苦しい思いをさせたくない』という感情が⾮常に⼤きい。その点は特に意識して演じていました」
――ミラリス役の楠木さんとは一緒に収録できたのでしょうか?
「残念ながら、⼀緒に録れたのは最初の⼀回だけなんです。以降は、何ブロックかに分かれてのアフレコでした。僕は基本的1⼈で収録することが多かったので、既に吹き込まれた皆さんの声を聞きながら進める形が多かったですかね」
――最初の段階でこういう風に2人の関係性を作り上げていこうというお話はされましたか?
「実は、楠⽊さんとお会いするのは初めてだったので、挨拶をして『この間テレビで⾒かけましたよ』なんていう世間話をしつつ(笑)、楠⽊さんもミラリスの⽴ち位置や今後の展開について不安を感じていたので、2⼈でその話をしながら、役柄の認識をすり合わせていった感じです」
――Act.1で印象に残っているシーンはありますか?
「ティナーシャとオスカーの2⼈は、全体を通して応援したくなるキャラクターだなと感じました。 ティナーシャは⾒れば⾒るほど可愛らしくて、まさに沼キャラだなと(笑)。硬い⼝調や気難しさがあるのに、近しい⼈に対しては砕けた⼝調になるのがすごくいいですよね。なので、印象に残っているのはやっぱり2⼈のシーンです。特にオスカーの⼈間⼒には感動しました。⾃分の呪いを解くためとはいえ、いきなり魔⼥と⾔われる⼈物に会いに⾏って、対等に向き合い、最後には⾃分の城に連れ帰ったわけじゃないですか。すごすぎません︖(笑)。ティナーシャがオスカーに⼼を開くのも、オスカーへの信頼感とカリスマ性から来るものだろうなと思っていますね」
取材・文=川崎龍也 撮影=MISUMI
作品情報
『Unnamed Memory』
2025年1月 Act.2放送開始
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