花澤香菜、アニメ『TO BE HERO X』で演じた孤高のヒーローに重ねた思い 「ギャップを演じるのが楽しかった」

声優

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TVアニメ『TO BE HERO X』花澤香菜
TVアニメ『TO BE HERO X』花澤香菜

――アフレコの現場は、どんな雰囲気だったんでしょうか?

「ほかのキャストさんと一緒に録れることが多かったので、ありがたかったです。ラッキーシアンや他のヒーローとも掛け合いできましたし。特に、あるキャラクターとの戦いのシーンでは長尺で体力を使いました(笑)。しかも映像が完成してないから、『今飛び蹴りしてます』とか『ここで壁に当たります』みたいなものを秒単位で合わせないといけなくて。でも、お相手の方の戦闘芝居が本当にすごくて。叫んでも全然声が枯れないし、演技もキレキレで。『うわ、負けていられないな』と、私も気合い入りました」

――共演者の中で、特に気になったヒーローは?

「うーん、やっぱり黙殺ですかね。中村(悠一)さんが演じられていますが、私のキャラと直接絡まないので、『どうなってるんだろう?』とすごく気になります(笑)。あと、宮野(真守)さん演じるXも印象が強いです。現場では一緒に録れなかったのですが、舞台挨拶では『俺、1位だし!』みたいなオーラを出していて(笑)。あの存在感はさすがです!」

TVアニメ『TO BE HERO X』花澤香菜
TVアニメ『TO BE HERO X』花澤香菜

――音楽面でもかなり印象的な作品ですよね。クイーン編の楽曲「Queen of the stars」はいかがでしたか?

「本当に素敵でした!女性ボーカルの曲で、すごくクイーンの心情に寄り添っている感じがして。しなやかさもあるけど、芯のある強さもあって、彼女にぴったりだなと思います。あの曲を聴いていると、クイーンが一人で戦いながらも、どこかで人に支えられている感じが伝わってきます」

――花澤さんは実生活において、ヒーローのような存在はいますか?

「私にとってのヒーローは...おばあちゃんですね(笑)。とにかく明るくて、エネルギッシュなんです。パジャマにスパンコールを縫い付けちゃうくらいで、『地味なのはイヤ!』って。朝の犬の散歩も、チャチャっと歌いながら踊るようなテンションで行っちゃうんです。この前一緒にランチ行ったときも、昼から焼肉でカルビを食べていて、『80代でこれはすごいな』って(笑)」

――めちゃくちゃパワフルですね!

「そうなんです(笑)。私が少し落ち込んでいたときに『ポテンシャルはあるのよ』と真顔で言ってくれたんです。その言葉が頭から離れなくて、最近ジンギスカンを食べに行ったときに『私にもポテンシャルあるし!』って調子に乗ってたくさん食べたら、翌日ぐったりして(笑)。私はまだヒーローにはなれないな、と思いました(笑)」

TVアニメ『TO BE HERO X』花澤香菜
TVアニメ『TO BE HERO X』花澤香菜

――逆に花澤さんご自身が、「誰かにとってのヒーローかもしれない」と感じたことはありますか?

「私自身というより、作品を通してキャラクターが誰かの背中を押せていたら嬉しいなと思います。以前、いじめに立ち向かう役を演じたことがあって、『その作品を観て、子どもが元気になりました』というお手紙をいただいたんです。そのときは、本当にやっていてよかったと思いましたね。キャラクターが持つ力ってすごいんだな、と改めて学ばせてもらった気がします」

――では最後に声優として「信頼されている」と感じる瞬間を教えてください

「最近だと、最終回だけ出てきて意味深なことを言って去っていくみたいな役を任せていただくことが多くて(笑)。あれって、信頼なのか試されているのかわからないですが、ここは任せようと思っていただけているのかなって。黒幕や二重人格のキャラクターなど昔の自分では想像していなかったような役もいただくようになって...。そういうことがあると、信頼値が上がったかな?と、少し嬉しくなります」

TVアニメ『TO BE HERO X』花澤香菜
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取材・文=川崎龍也 撮影=MISUMI

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作品情報

TVアニメ『TO BE HERO X』
放送:フジテレビほか、毎週日曜朝9:30〜
配信:Netflix、Prime Videoほかで毎週月曜12:00〜最速配信中
声の出演者:宮野真守、花澤香菜、内山昂輝、中村悠一、松岡禎丞、佐倉綾音、水瀬いのり、山寺宏一、島﨑信長、花江夏樹ほか

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