吹き替え声優に初挑戦の松本若菜が芸能界で生き残る秘けつを告白「あまり気にし過ぎないこと」

声優

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「まずは台本を開かずに本編を3回見たのですが、英語が全く分からなくても不思議と表情で伝わるものがあって! 何を話しているかは分からなくても、その時の感情だったり、内に秘めているものがお芝居に出ていて感じることができました。また、後に台本を読み合わせた時に、『ここはそうだよね。思うところがあるよね』とか『ここはみんなを引っ張っていくところだから、語気を強めたんだな』というように通じ合うところもあれば、『こういう表現の仕方があったのか』と逆に驚かされる部分もあって。言葉を越えて通じるものを感じて、『私もそっちの世界に行きたいな』と思ったりしました」

――吹き替えのお仕事をやってみた感想は?
「ゾーラは悲鳴がなくて、台本には『(悲鳴)』って書いてあっても、いわゆる『キャー』というのではなく、『うわぁあ』みたいないわゆるうめく感じが多かったのですが、今回演じながら『私って、今までのお芝居で結構うめいてきたんだな』と(笑)。戸惑うことなくスッと入ってきたので、自然な感じで演じられた気がします。

あと、実際やってみて感じたのが、実は英語って会話にするとあまり抑揚がなくて結構淡々としているんだなと。だから、そのまま日本語にしても伝わらないんですよね。そういったところも新しい発見で、学びになりました。改めて声優さんたちを尊敬しました。普段の私たちは、動いて、表情や声も駆使してお芝居をしていますが、声優さんたちは声だけでいかに奥行きを持たせるかという。そう考えると、声だけでもまだまだ伝え方があるし、今後お芝居する場面でも、例えば"目をつむって虚脱しながら声だけで伝える"みたいな表現方法もあるかもしれないと思いました」

――ゾーラはチーム引っ張っていく存在ですが、ご自身は引っ張っていくタイプですか?
「『みんなで仲良く~』っていう方かな(笑)。ただ、ありがたいことに何度か座長も経験させていただいて、その時に作品に対して真摯に向き合っていると、自然とみんなが同じ方向を向いて進んでくださるので、時にはみんなの先頭に立つ場合もありますね。でも、そればっかりだと私の場合はちょっと辛いので、"みんなで肩を並べて歩く"みたいな瞬間も挟ませてもらいながらカッコつけさせてもらっています(笑)」

――ゾーラのように芸能界というサバイバルを生き残ってきたと思いますが、その秘訣は?
「うーん...あまり気にし過ぎないことですかね。すてきな俳優さんはいっぱいいるし、その方たちと比べても仕方のないことですし。ただただ"自分にしかできない何か"っていうものを求めながらこの仕事をしているので、自分がいただいたお仕事をどれだけ自分の中に落とし込んでやれるかということに尽きると思うし、それでとてもやりがいを感じられますから。

もちろん、20代や30代前半まではものすごく周りが気になっていて、オーディションに最後まで残ったのに落ちてしまった作品を見に行って、『悔しい...』って思うことも何度もありました。だけど、年齢や経験を重ねると、いい意味で諦めがつく。変なプライドとかがそぎ落とされて、今まで尖っていた部分が1枚ずつ剝がされていくと、純粋に『この仕事が楽しいから』しか残らなくて、ここ数年は自分でもすごく肩の力が抜けたなと思いますね」

――最後に鑑賞される皆さまにメッセージをお願いします。

「今回は、陸・海・空それぞれの大きい恐竜のDNAをとるというミッションが課せられていて、そのミッションに至るまでにも一筋縄ではいかないいろいろなことがあり、ミッションを達成して見事に帰還できるのかというところはもちろん、仲間との出会いでゾーラの気持ちがどんどん変わっていくところも一つの見どころだと思うので、ぜひ劇場でご覧いただいて、皆さまの心に何か残るものがあったらいいなと思います」

文=原田健

写真=皆藤健司

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作品情報

ジュラシック・ワールド/復活の大地
日時: 8月8日(金) より大ヒット上映中!
配給:東宝東和

詳しくは
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