『A3!』田丸篤志ら冬組キャストと観客が一体となった単独イベント「MANKAIカンパニー presents Winter Party! 2025」
声優
終盤のライブパートでは、冬組を象徴する公演曲が次々と披露された。まずは第三回公演曲「正体」。柿原と佐藤がステージに立つと、空気が一変する。柿原の鋭く突き刺さるような声と、佐藤の低音が持つ重厚さが絡み合い、まるで物語の暗がりを切り裂くような緊張感を生み出していた。観客の視線も一瞬で引き寄せられ、二人の声のコントラストが鮮烈に響いた。

続いては第二回公演曲「esの憂鬱」。豊永と寺島が柔らかく、しかしどこか翳りを帯びたトーンで歌い出す。豊永の滑らかなフレーズと、寺島の繊細で切実な歌声が重なり、楽曲に潜む"憂鬱"の温度を観客に伝えていく。二人が互いに呼吸を合わせながら感情を積み上げていく様子に、会場はしんと静まり返り、物語世界に深く引き込まれていった。

そして第四回公演曲「UNMASK」。田丸と日野がタッグを組むと、舞台の空気は一気にドラマティックに変わる。田丸の伸びやかな高音が感情を解き放ち、日野の力強い声がそれを包み込むように響く。仮面を剥がし、内に秘めた真実をさらけ出すかのような二人の歌唱は、観客に強烈な余韻を残した。日野は「思い出深い曲だったので、こうして皆さまの前で披露できて嬉しかったです」と感慨深げに語り、田丸も「久しぶりに同じ曲を歌わせていただけて嬉しかったです」と笑顔を見せた。

そしてラストは、冬組6人全員による新ユニットテーマ曲「むつのはな」。6人の声が重なった瞬間、客席の熱気はさらに高まり、まるで冬組の未来を照らすような力強さを放っていた。新曲を初めて耳にしたときの高揚感と余韻は、今も鮮やかに残っている。さらに最後には、進行を務めてきた田丸が「ブルブル......ブルーミング!」の掛け声を言おうとして噛んでしまうハプニングも。すかさず5人から「ちょいちょいちょい!」と総ツッコミが入り、会場は笑いに包まれて幕を閉じた。

今回の昼公演は、各組単独公演のラストにふさわしく、冬組の魅力を凝縮した時間だった。笑い、感動、迫力。すべてが揃っていながら、それらを繋げていたのは6人のキャストと観客が共有した"絆"だったように思う。

なお、この模様はTBSチャンネル1にて11月16日(日)にテレビ初放送される予定だ。会場で味わった熱気や感動をもう一度振り返りたい人も、当日足を運べなかった人も、ぜひその瞬間を体感してほしい。
取材・文=川崎龍也
公演情報【スカパー!】
「MANKAIカンパニー presents “Winter Party!” 2025」
放送日時:2025年11月16日(日)
チャンネル:TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画
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