谷山紀章が「世界一あざとくてかわいい」パンダを熱演！

米国発の人気アニメ「ぼくらベアベアーズ」が8月から第2シーズンに突入。グリズ、パンダ、アイスベアの3人が生活を共にし、人間の世界に溶け込もうとするシュールでコミカルな作品だ。日本語吹き替え版でパンダの声を演じている声優の谷山紀章さんに話を聞いた。

まず谷山さんがパンダ役に決まった経緯を教えてください。

これまで動物の役はあまりやってこなかったんですが、パンダ役にとオファーしていただいて、オーディションを受けました。僕は歌手活動をしているから、歌が好きなパンダ役にということだったのかもしれないですね。それが自画自賛になっちゃうけれど、大正解だったと思いますよ。このパンダのようにあざとくかわいい感じは得意ですから(笑)。世界中で放送されているアニメですが、間違いなく僕の声の演技が世界一かわいいと思います(笑)。自分としても演じていて楽しいし、いくらでもずっとやっていられますね。

パンダは3人のクマの中でどんな立ち位置にあるキャラクターですか？

3人の中では次男キャラ。ちょっとスマホ依存症みたいなところもあって、スマートフォンを肌身離さず、匿名掲示板に平気で書き込んじゃうタイプ。現代っぽいというか、オタク気質だと思います。僕自身はあまりSNSをやらないし、いまだに携帯電話もガラケーなのでちょっと違うんですが、声の演技としては回を重ねるごとに正解に近づいていっているのではと思います。

パンダが歌を歌う場面はどのように収録しているのでしょうか？

それがけっこう丸投げなんですよ(笑)。アメリカ版の原音を聴いて耳でコピーし、日本語の台本の歌詞に合わせて歌う。楽譜もないし、伴奏もない。なんとか譜割りも自分でやっています(笑)。そんなに大変ではないんですが、共演のおふたりもいるので、歌の部分だけ後回しにすることが多いですね。9月放送の特別編「キャプテン・カニーを追え」では、歌うシーンが長かったので、さすがに事前に自宅で何度も原曲を聴きました。

「ぼくらベアベアーズ」は世界的にも人気が出てきていますが、作品としてはどんな魅力がありますか？

見たことがない人がいたら「かわいくて楽しいから、早く見たほうがいい」っておすすめしますね。男子はこのキャラクターのグッズ持っていたら、女子にモテるから(笑)。僕も自宅の階段にはパンダのぬいぐるみを置いていますよ。もともと僕はNBA(アメリカのプロバスケットリーグ)が好きなんですが、最近、収録したエピソード27「チャーリーとバスケ」はダンクシュートに行くときの動きとか、作画スタッフがNBAをそうとう見ているなっていうのがわかるんです。そのリアルな感じもすごい。このエピソードではパンダが3ポイントシュートを決める役割で、バスケ好きとしてはうれしかったですね。

9月に放送される特別編ではカニが3人の家にやってきますね。谷山さん自身も、このエピソードのように、誰かからなつかれた経験はありますか？

同業者でひとりいますね。勝手に好意を持たれている後輩というか、僕にあこがれて声優業界に入って、今、爆売れしている小野友樹っていう人なんですけれど(笑)。毎年、僕の誕生日になると日付が変わって5秒ぐらいのタイミングで小野くんからお祝いのメールが来る。ここのところ3年連続で1位ですね。僕はあまり社交的ではなくて、相手からグーッと距離を詰められると、ツンと引いちゃうタイプなんですが、なつかれたらたまにはこちらからもアメをあげるというか、デレます(笑)。

谷山さんの最近のマイブームはなんですか？

5月ぐらいから健康のために野菜を主食にしています。外食のときはカフェめしでサラダを注文するようになって、都内のおしゃれカフェ事情にだいぶ明るくなりました。まぁ、仕方なく食べ始めたんだけど、サラダもそれなりにこだわったものを食べるとうめえんだなと実感して、野菜が好きになってきました。演じるパンダのようにベジタリアンとまではいかないけれど...。好きな野菜をひとつ選ぶならズッキーニ。今が旬でおいしいですよね。

この夏の楽しみはなんですか？

8月11日が誕生日なんですが、地元の山口県宇部市で凱旋ライブをやります。1200人ぐらいのキャパの会場ですが、まさに「故郷に錦を飾る」という感慨がありますね。そのあとは休みを取ったので、かわいい姪っ子や親戚、家族と会ってゆっくりできそう。中学高校時代の友達と集まるのも、すごく楽しみです。

文＝小田慶子　撮影＝松本順子

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