――歌詞の中で、心に残ったフレーズがあれば教えてください。
「全部好きで、どれか1つでも欠けたら『異人たちの時間』の空気感は成り立たないと思っていますが、最初の『ねぇ ママってどんな恋したの どんな愛見つけたの』と、最後の『ねぇ ママって恋しい時 どう伝えていたの』です。そういう気持ちは、私たちもお母さんに抱くと思うんですが、そのリアル感というか、聞いているだけで伝わってくる温かさみたいなものがあって。でも、実際は聞けない切なさに、歌詞を読んでいて泣きそうになりました」
「他の部分は、モノローグでも作品を見ると伝わってきたり、貴族としてのメリダの解釈でもいいのですが、この最初と最後のフレーズは1人の女の子としてのメリダじゃないと出てこない言葉だと思ったので、この歌詞の重みはすごく大事にして、こだわって録りました。『このニュアンスは、もうちょっと消え入る感じがいいかな』『ここはもう少し気高い感じでいきたいです』など、曲自体はそれほど長くないですけど、何度も録り直しました。演技以上に難しかったかもしれないです」
――MONACAの高橋さんから、アーティストとして影響を受けた部分などはありましたか?
「曲の空気感を、メロディーだけで作らないということです。歌い方次第で、空気感も作れるんだと実感しました。自分の曲の時は、歌詞は大事にしつつメロディーにもすごくこだわっていて、『ここで音の高さを上げたら響いてくるな』みたいに。ただ、音以外の部分、気持ちで空気感を作ることが多いキャラクターソングでも、ここまでこだわることは今までなかったので、すごく勉強になりました」
――楠木さんがメリダに楽曲を提供するとしたら、どんな感じの曲や詩にしたいですか?
「『異人たちの時間』で、1人の女の子としての可愛らしいメリダの姿は描かれているので、普段、従姉妹のエリーゼと会話している時だったり、学園にいる時だったり、いつもの気高いメリダをより強く、可憐にしてくれるような楽曲にしますね」
――曲のジャンルとしてはアップテンポな感じですか?
「割とゆっくりでもいいかなと思います。ゆっくりでありながら壮大な感じ。ストリングス(※弦楽器の演奏)が入ったり...。でも、メリダが抱くクーファに対しての思いを書きたい気持ちもありますね。クーファに対してだったら、たくさん歌詞が書ける感じがする(笑)。メリダも言いたいことがいっぱいあるだろうし、曲だから伝えられることっていっぱいあると思うので。メリダは自分とクーファを重ねつつ、『私は将来、こういう女性になりたい。こういう人間になりたいんだ!』という未来の自分への思いを強く持っているので、クーファに対しての歌詞なら、どんどん書けそうな気がしますね」
――最後に、放送を毎週楽しみにされているファンの方、「異人たちの時間」のリリースを楽しみにされているファンの方へメッセージをお願いします。
「『アサシンズプライド』を毎週見ていただき、本当にありがとうございます。メリダもだんだん強くなってきて、クーファとの関係性もどんどん親密になっていますが、クライマックスにかけてさらに盛り上がっていきますし、メリダ自身ももっと成長していきます。最後の最後までご覧いただいて、キャラクターたちの成長を見届けていただきたいなと思います。そして、今回『異人たちの時間』が作品の一部になれた感じがして、本当に嬉しいです。歌詞はメリダとお母さんとの会話ですが、皆さんにも寄り添って元気づけられる、勇気づけられる楽曲になっていると思います。フルで聞いていただいた方がよりメリダの気持ちが伝わってくるので、歌詞もじっくりじっくり読んでいただいて、メリダをより深く知っていただけたら嬉しいです」
文=中村実香 撮影=中川容邦
放送情報
アサシンズプライド
放送日時:2019年11月21日(木)23:30~ ※放送中
※毎週(木)23:30~ほか
チャンネル:アニメシアターX(AT-X)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
<リリース情報>
「アサシンズプライド」EDテーマ
異人たちの時間 / メリダ=アンジェル(CV.楠木ともり)
発売日:2019年11月27日(水)
詳しくはこちら