抜群の演技力で声優だけでなく、ミュージカルや舞台など女優としても活躍する三森すずこ。少女から大人の女性まで、幅広い役を演じ分ける。「探偵オペラ ミルキィホームズ」のシャーロック・シェリンフォード、「ラブライブ!」の園田海未、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」の神楽ひかりなど、数々の人気作品に出演。2015年には「ラブライブ!」から生まれた声優ユニット、μ'sのメンバーとしてNHK紅白歌合戦にも出場している。
そんな彼女が11月30日(土)にナショナル ジオグラフィックで放送される「執念の考古学者 アレクサンドロス大王を探して」でナレーションを担当。番組では、アレクサンドロス大王の墓を20年以上も探し続けている考古学者、カリオペ・リムネオス=パパコスタに迫る。彼女が発掘作業を行っているのは、アレクサンドリアにあるアメリカンフットボール場17個分の広さの公園シャララート・ガーデンだ。
紀元前300年代、若くしてマケドニアの王となり、1万9000kmに及ぶ遠征で各地を転戦しギリシャからインド北西に渡る広大な帝国を築き上げたアレクサンドロス大王。戦で破れたことがなく"生ける神"として崇められた偉大な王だが、32歳の若さで病没した。
大王の遺骸は生前自身で設計、建築したエジプトのアレクサンドリアに移されたとされるが、他国の侵略、また地震や海面上昇などにより、今ではその墓の場所は不明となっている。しかし、パパコスタはこの地で発掘を続けて14年目に、アレクサンドロス大王と思われる大理石の像を発見。発掘から20年以上を経た今も、彼女は多くの新たな発見をし、大王の墓に迫りつつある。
本作で三森はナビゲーターに徹している。パパコスタや、彼女に協力する考古学者・ヒーバートといった人物が、発見した遺構の重要性や期待を語るシーンが数多くある。そんな彼らの存在を、三森は落ち着いたよく通る声で際立たせながら、埋もれた謎の深さと魅力をより印象深く語ってくれる。
パパコスタの調査は、主に過去に記された資料を基に行なわれている。ローマ時代の歴史家・ストラボンが記した資料には、墓は王家の居住区内にあるとされている。また、マフムード・ベイというエジプトの天文学者が1866年に作った地図には、アレクサンドロス通りの形まで記されている。そして、彼女が発掘現場で発見した当時の道路と、マフムードの地図に書かれた道路の位置が一致することが分かった。このことから、公園内に居住区があったことが判明し、王家の墓がある可能性が高まった。
最新の装置を導入し、さらに調査は続く。その過程で、巨大な公共建築物の遺構や地下道など、新たな発見も。感情を抑えたトーンでミステリアスな雰囲気を作り出す三森のナレーションとともに、執念を持って調査にあたるパパコスタの歴史的、世界的発見に迫るプロセスを目に焼き付けてほしい。
文=堀慎二郎
放送情報
執念の考古学者 アレクサンドロス大王を探して
放送日時:2019年11月30日(土)20:00~
チャンネル:ナショナル ジオグラフィック 未知の自然・宇宙・歴史
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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