三木眞一郎宮野真守の女性役!「みきくらのかい」第二回公演での圧倒的な演技力

写真左から、宮野真守、三木眞一郎
写真左から、宮野真守、三木眞一郎

「頭文字D」の藤原拓海、「ポケットモンスター」のコジロウ、最近では「鬼滅の刃」の主人公・竈門炭次郎の父親・竈門炭十郎を演じるなど、人気作品に多数出演する声優・三木眞一郎。彼が劇作家・演出家の倉本朋幸と結成したリーディングユニット「みきくらのかい」の第二回公演『怪談贋皿屋敷』が、2020年12月19日に東京・一ツ橋ホールで開催された。

1992年に脚本家・横内謙介が、岸田戯曲賞受賞後第一作として善人会議特別公演のために書き下ろした『怪談贋皿屋敷』は、江戸時代の直参旗本・青山播磨の屋敷を舞台に、御用金横領の大悪事をごまかすために盗んだ御用金を枯井戸に隠し、作り話で人心を欺く播磨たちと、その陰謀に巻き込まれた純朴な女中・お菊の物語。今回、三木はお菊を筆頭に、家老の山岸次郎佐衛門や謎の協力者・園部上総之介などのキャラクターを担当。ゲストとして参加する「機動戦士ガンダム00」の刹那・F・セイエイ役などで三木と共演経験を持つ声優・宮野真守は、青山播磨や女中・お槙などを演じる。

ステージは、丸いガラステーブルとクリアなプラスティック製の椅子がそれぞれ1セットずつというシンプルなスタイル。テーブルの上には、皿などの小道具がセットされている。そこへ白いスタンドカラーシャツに黒のスリムパンツ、そして振袖を羽織った三木と、黒を基調とした出で立ちの宮野が登場し、静かに席に着く。互いに視線を交わした後、三木が「怪談贋皿屋敷」とタイトルを読み上げると、むき出しだったステージ後方を大黒幕が覆い隠し、観客を"とある現代の観光地"へと誘う。井戸の入口を表す銀の輪を背景に、三木はト書きを読み上げ、宮野は「お菊の井戸」を観光客に紹介する案内人を豊かな声色と表情を駆使して表現する。皿が割れる効果音が響く中、2人が皿を分かち、それぞれ手にすると、舞台は現代から江戸へと移っていく。

舞台が江戸時代になると、彼らが演じるキャラクター数が倍増。宮野は3人の女中たちを豊かな表情とボディーランゲージを多用して生き生きと演じる。そして、三木も本作のヒロイン・お菊を多くのアニメ作品で聞くことのできる、包容力さえ感じる艶やかで男らしい声からは想像もつかないほどの純朴な可愛らしい声で可憐に表現。その熱演を受け止める宮野も、物語の鍵を握る先輩女中・お槙となり、独特のハイトーンボイスで応戦する。もう1人の主人公・播磨を演じる際の宮野は、ハリのある強気な青年役へと瞬時に変身。彼にさまざまな悪知恵を吹き込む上総之介を演じる三木も、上品ながらどこか不気味さを潜ませた声で、上総之介の底知れなさを聴く者に印象づける。

その後、お槙に懸想する次郎佐衛門の策略をきっかけに出会った、播磨とお菊の悲しくも切ないラブストーリーがスタート。常に虚勢を張り続ける播磨が純朴なお菊に心を許していく様や、初めて優しくしてくれた異性でもある播磨に心惹かれていく、お菊の心境の変化が織り成す物語を、宮野と三木は声の演技のみならず、刀や「封印」といったさまざまな小道具を駆使してステージ上に描き出していく。中でも、それぞれが客席に向かって小指を差し出し、指切りげんまんをするという方法で表現された、播磨とお菊が約束を交わすシーンは見る者の心を大きく揺さぶった。さまざまな人々の思いが交錯する、江戸時代が舞台の物語をたった2人で演じきった三木と宮野。第一線を走り続ける声優の演技に圧倒され続ける、あっという間の2時間だった。

文=中村実香 撮影=大石隼土

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配信情報

みきくらのかい 第二回公演リーディング「怪談贋皿屋敷」
原作:横内謙介 脚色・演出:倉本朋幸 編集:中瀬俊介
出演:三木眞一郎、宮野真守
配信期間:2021年1月26日(火)〜2月7日(日)
みきくらのかい 公式HP

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