――今回あらためて収録された「sketchbook」「アカトキ」「バニラ」の聴きどころもお聞かせください。
「『sketchbook』は、歌い方も声質も今までとテイストを変えています。質感にこだわった曲でもあって、音数を減らして没入感のあるアレンジにしていただいているので、曲の世界観に入れるようにイヤホンやヘッドホンで聴いてもらえたら嬉しいです。レコーディングではコーラスをたくさん録ったので、途中から酸欠状態になってしまって。初めて歌っている途中で休憩を入れました。それくらいこだわったので、ぜひ聴いてほしいです」
「『アカトキ』は、インディーズの音源をリアレンジしました。元々は落ち着いた曲調だったのですが、皆さんがライブで楽しんでくださっている姿を見て、クラップが似合う明るいアレンジに変えました。楽器もピアノ以外は生音で録っていて、リッチなテイストになっているので、ぜひ大きなスピーカーで聴いてほしいです。」
「『バニラ』はエモーショナルなロックバラードです。他の曲と違い、手紙や日記に近いテイストで歌詞を書いていて。皆さんに伝えたい気持ちが強い曲なので、手紙を読んでいるつもりで歌詞をじっくり読みながら聴いてほしいです。歌い方も気持ちを込めて、他の曲とは違うベクトルで歌っているので、皆さんへ向けて歌っているんだというのを、より実感しながら聴いてもらえたらと思います」
――その思いが「バニラ」のMVでの涙の映像につながっているんですね。
「何回も撮影をしているうちに気持ちが高まってしまい、思わず泣いてしまいました。タイミングが良かったので、目薬と思われる方もいるかもしれませんけれど、本当の涙です。打合せにもなかったので、監督も驚かれていました。編曲は、私が大好きなハルカトミユキさんのアレンジなどを手掛けられている、野村陽一郎さんにお願いをしました」
――「初回生産限定盤」のBlu-ray/DVDには昨年12月に開催されたバースデーライブKusunoki Tomori Birthday Candle Live「MELTWIST」の映像も収録されていますが、今あの時のライブを振り返ってみていかがですか?
「ライブの計画段階からスタッフさんと配信限定でと決めて。みんなで同じ方向を見て取り組めたことが、一番良かったポイントだと感じています。オンラインだからこそ見せられるライブがあると思うし、それを考えるきっかけにもなりました。実際に自分の中で1つの完成形というか、すごく理想的なオンラインライブが出来たと思います。皆さんからの感想も温かいものをたくさんいただけました」
――今後ライブでやってみたいことはありますか?
「7月25日(日)にオンラインソロライブを予定しています。『MELTWIST』とは一線を画す内容をお届けできればと。歌手としての私だけではなく、声優としての一面も、両方見ていただけるような企画を考えています」
――「フォトブック盤」には撮り下ろしのフォトブックが同梱されいますが、お気に入りの写真や撮影時のエピソードはありますか?
「水面に波紋が広がるような写真を撮るのが大変でした。薄い水槽の下に私がいるのですが、スタッフさんが上から垂らす水が怖くて、思わず目をつぶってしまって...。煙が写っているジャケットの撮影では、出した煙が広がってしまうので、その加減が難しくてスタッフさんが苦労されていました」
――最後にファンの皆さんへメッセージをお願いします。
「いろいろな方の音楽の好みに刺さる曲が、1曲はあったらいいなと思ってEPを作りました。でも、4曲を通して聴くと一見バラバラな曲の中に共通項が見えてきて。まるで映画を見終わった後のような満足感のあるEPになっていると思います。ぜひ、4曲通して聴いていただけたら嬉しいです」
文・撮影=永田正雄
リリース情報
2ndEP「Forced Shutdown」
発売日:2021年4月28日(水)
発売形態:
■初回生産限定盤A(CD+BD)
■初回生産限定盤B(CD+DVD)
■フォトブック盤(CD+フォトブック)
■通常盤(CD)
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