――収録現場では内田さんと共演されたのですか?
「最初は内田くんと2人で、途中からラキュア役の木村昴さんも加わって3人で収録しました。本来であればキャスト陣勢揃いで臨みたかったところですが、それでも内田くんと一緒に録れたのは心強かったです。普段から収録で一緒になることが多くお互いをわかっていることもあって、ヒイロとベニマルの関係を演じる上で心の距離感やシーンの空気感は作りやすかったですね」
――ヒイロとのシーンではどんなことを意識されましたか?
「兄と慕っていた人物が登場するというところで距離感みたいなものを大事にしたいなと思っていて、その上でベニマルとヒイロって性格だけでなく生きてきた道もすごく似ているキャラクターなんですよね。ただ、ベニマルたちはリムルと出会って復讐への折り合いを付けることができましたが、ヒイロはまだなのでベニマルからするとかつての自分を見ているような感覚になる部分があるんです。特にオーガの墓参りを描いたシーンでは弟分としてどういうふうに声をかけたらいいのか、自分が通ってきたからこそわかる心の揺らぎみたいなものがあるので、その表現の仕方はすごく気を付けました」
――ベニマルの人柄の良さが非常に伝わるシーンでした。古川さんはベニマルの魅力をどのように感じていますか?
「ベニマルってすごく懐が大きい。敵討ちの相手をそう簡単に許せるかって言われたら、僕は長い時間をかけないと雪解けは難しいと思います。もちろんベニマルも葛藤があった中でいろんな事情を飲み込める強さが必要だっただろうし、仲間の一角を束ねていくために精神的にも成長する必要があったから、大鬼族(オーガ)の仲間はそんなベニマルの考えを尊重してついてきているんだと思います。格好良いですよね。精神的に強くて戦闘力もあって、僕には勝てる部分が見当たらないかな。唯一似ているところがあるとすれば、間違えたときに『ごめん、悪いことをした!』ってすぐに謝れることくらい。非を認める潔さは似ていると思います」
――スキルの豊富さも「転スラ」の魅力ですが、もし習得できるとしたらどんなスキルがいいですか?
「ん~これは難しい...ラファエルが欲しいですね。『明日インタビューがあるんだけど、どういうふうに答えたら大丈夫?』って聞いたら『告!』って応えてくれそうなので。これはありがたい(笑)」
――ファンの皆さん、視聴者の方にメッセージをお願いします
「オリジナルエピソードということできっとどんな内容になるのか気にしていらっしゃる方もいると思いますが、いつも通りの転スラでございます。勧善懲悪があってちょっと賑やかなシーンがあって、その上で魂がぶつかり合うバトルがあるので、最後まで夢中になれる劇場作品になっています。大迫力の音響と映像をぜひ劇場で楽しんでください」
取材・文=永田正雄
放送情報
劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編
2022年11月25日(金)公開
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