何も分からずアメリカへ!?菊地凛子が明かす「ウエストワールド」撮影秘話

西部劇の世界を再現したテーマパークを舞台に、血も涙も流すアンドロイドたちの反乱を描く、アメリカの大ヒットTVドラマ「ウエストワールド」。1973年の同名映画をJ・J・エイブラムズ、ジョナサン・ノーランら、ハリウッドのトップクリエイター陣がリブートさせたSFミステリーだ。総製作費100億円という巨費を投じた見事なセットや、エロス&バイオレンス満載の謎が謎を呼ぶストーリーで、2016年の放送開始以来、世界各国のドラマファンを魅了し続けている。

そんなヒット作のシーズン2の第5話より、江戸時代の日本がモデルの「ショウグン・ワールド」を舞台にした物語が描かれる。本エピソードには、真田広之や菊地凛子といった日本を代表する国際派俳優陣が起用された。今回、8月にスタートとなる二カ国語版の放送を前に、アカネ役の菊地凛子に作品に対する思いなどを聞いた。

「ウエストワールド」シーズン2へのご出演が決まった際の率直な感想をお聞かせください。

「もともと『ウエストワールド』を観ていて、すごく大好きなドラマだったんです。今回、オーディションのお話をいただいた時は『ウエストワールド』の世界に自分も入れるのであれば、どんな役でもやりたいと思っていたので、すごくうれしかったですね。それに、J・J・エイブラムズやジョナサン・ノーランとの仕事は、エンターテイメント・ビジネスに関わっている限り、誰もが切望すると思います。そんな作品に出演できるチャンスをいただけたのは、非常に幸せでしたね」

菊地凛子演じるアカネ

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菊地さんが演じるアカネにキャスティングが決まった際は「こんなに重要な役を演じるのか」と驚かれたりされましたか?

「実は、私がいただいていた台本では、ウエストワールドで起きている他の出来事は一切分からないんですよ。私が出演するショウグン・ワールドでも、自分のシーン以外は同じテーマパークで起こっていても、分からないようになっているんです。その理由を聞いてみましたが、シーズン1から出演するキャストの皆さんも一切分からないんです。完成した作品を観てみないと、自分が演じているキャラクターの役割が明確にならないので、アカネがこれだけの大役だというのも教えてもらえなかったです。アカネがメインキャラクターのメイヴと同じ性格と役割を持つ存在ということだけは分かっていたんですけど、何をするのかも分からずアメリカに来たので、びっくりしたことの方が多かったですね。でも、私はメイヴというキャラクターが一番好きだったので、そのメイヴと対になる存在を演じられて光栄でした」

タンディ・ニュートン演じるメイヴ・ミレイ

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共演されたメイヴ役のタンディ・ニュートンさんと、役について話し合われたりしましたか?

「同じ気持ちで演技をするという意味では、2人とも実生活でも母親なので、そういった話をしたりしました。あと、自分はいつも海外の現場で、英語で演技をしなければならないので、すごくセリフを勉強するのですが、いつも向こうの方々が助けてくれていたんです。でも、今回はそれが逆だったんですよね。そういう点でも、私は彼女と一緒の時間を多く過ごしました。それがアカネ役としての背景にもつながったかなと思います」

今回が初めての海外ドラマご出演ということですが、いかがでしたか?

「海外の映画に出演するとセットに入るまでに時間がたくさんもらえるんですけど、TVドラマは『台本読んですぐ入って!』みたいな感じでした。それでもラッキーだったのは、今回すべてのセリフが日本語だったことですね。そして、共演させていただいた真田広之さんは『LOST』からはじまって、アメリカのTVドラマシリーズにたくさん出演されている方なので、どのように撮影が進んでいくかを理解されていて。そういう先輩がいらしたので大丈夫でしたが、もし1人で撮影に参加するとしたら、結構タフな現場になったと思いますね」

真田さんから何かアドバイスをいただいたりされたのでしょうか?

「アドバイスはもちろん、演技のアイデアもいただきましたし、私の撮影現場へも観に来てくださって。現場で違和感がある部分を、真田さんがチェックされていました。メイヴの日本語も真田さんが少し直したり、日本チームの監督みたいな感じで(笑)、真田さんがいてくださり本当に助かりました」

出演したからこそ発見した新しい「ウエストワールド」の魅力はありましたか?

「もともと好きだったキャラクターとシンクロしたキャラクターを演じられたのは、なかなかシビれる体験で、すごくうれしかったです。自分の好きなキャラクターと同じ設定のキャラクターが登場するって、なかなかないじゃないですか。そういう設定があるのも『ウエストワールド』ならではで、ラッキーでしたね」

最後に「ウエストワールド」シーズン2をこれからご覧になる皆さんへメッセージをお願いします。

「この作品を観ると、必ず作品世界の中に没入していくんですよ。そうすることによって、今、自分が生きている現実も本当に現実なのか疑わしくなってきます。何が真実で、何を持って生きるかなど、とても深いテーマを変わらず描き続けている『ウエストワールド』の世界を存分に味わってもらいたいと思います。私が登場するシーズン2は、シーズン1があってこその物語なので、ぜひシーズン1からご覧になっていただきたいですね」

文=中村実香 撮影=諸井純二 衣装協力=シャネル

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放送情報

ウエストワールド シーズン2【二ヵ国語版】

放送日時:2018年8月6日(月)22:00~

※毎週(月)22:00~

チャンネル:スターチャンネル3

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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