連続猟奇殺人事件に挑む刑事役・木村文乃の演技に息を飲む!「連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班」

捜査一課の刑事を演じるショートカットの木村文乃
捜査一課の刑事を演じるショートカットの木村文乃

©2019 WOWOW / TBSスパークル

今回の事件は、不動産会社の代表取締役を務める資産家・天野秀雄の惨殺遺体が自宅で発見されたことから始まる。遺体の喉は切り裂かれ、傷口に4本の青い花が活けられていた。4本の花は何を意味するのか、犯人からのメッセージなのか。多くの謎を孕んだ遺体に続き、「クラスター16」と名乗る犯人から次々とメールが届き、事件は連続猟奇殺人事件へと発展していく。

警察をあざ笑うかのように事件を肥大化させていくクラスター16に翻弄されながらも、諦めることなく捜査を続ける塔子たち。そこではやはり、真剣に事件と向き合う塔子を演じる木村の演技力が光る。

情報を共有し合う捜査会議で、調査結果と自らの筋読みを述べる姿には、凛として揺るぎない存在感がある。行方不明となっている天野の妻・真弓を建物内で捜索している時、何かが潜んでいそうなカーテンを開ける前の恐怖が入り混じった表情と息遣いは、見ていて息を飲むほどだ。

また、関係者の身柄確保のために突入班を指揮するシーンでは、不安と緊張が高まり、固くなっている様子が感じ取れる。そういったさまざまなシーンで、塔子の事件を解決したいという思い、刑事としてのプライド、鷹野の後を継ぐ重圧と戦っている様子が伝わってくる。

そしてすべてを乗り越えて辿り着いたラストシーンで、塔子は刑事としての覚悟を強い口調と言葉、また木村の魅力でもある大きな瞳で強烈な目力をもって体現する。その時の木村は、身も心も捜査一課のエースに成長した如月塔子になりきっている、そう言っても過言ではない印象的なシーンとなっている。

タイトルにもなっている「蝶の力学」、バタフライ効果とは、ブラジルで小さな蝶が羽ばたくと、やがてテキサスで大きな竜巻が起こる、つまり「ある小さな変化が引き金となって、最終的に驚くような結果をもたらす」ことを意味する言葉だ。

この事件で最初に羽ばたいたのは誰か、それがどう連鎖し、拡大し、どんな結末をもたらしたのか。意表を突く展開が連続するストーリーと、塔子が成長していく姿をじっくり味わいながら、本作を楽しんでほしい。

文=堀慎二郎

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放送情報

連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班 一挙放送
放送日時:2023年3月26日(日)20:25~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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