そんな中、田名部の地を治める旗本・蒔坂左京大夫(渡辺大)に呼ばれ屋敷へ行ってみると、迫りくる参勤交代の道中御供頭を命じられた。主君からの命に道中供頭を務める意を決したものの、父からは参勤交代の作法など全く教えられておらず、右も左も分からない。父の墓前で途方に暮れていると、住職から小野寺家に伝わる「行軍録」なるものを渡される。それは父が亡くなった際に大事に抱えていた書物で、参勤交代の作法が記されていた。ようやく手がかりを見つけ、父の願いであった古式ゆかしい参勤交代を目指すことにした一路。しかし、それには多くの人手と資金が必要となる。仲間を増やすべく尽力し、少しずつだが一路の味方になる者も出てきた。難航した資金の工面も勘定方・国分七左衛門(石黒賢)の計らいで何とか用意することができた。そして参勤交代出発の日、いざ江戸へ!と一丸となる一行。そんな彼らを冷めた目で見つめる男がいた。左京大夫の叔父・蒔坂将監(佐野史郎)である。将監は当主の座を奪った左京大夫を苦々しく思い、いつか自分が当主に...と企んでいたのだ。
ただでさえ大変な参勤交代に、将監の陰謀も加わり、一路の行く手には数々の困難が待ち受ける。江戸までの長い道のりを澄んだ目で見つめる一路、その先に巨大な闇が潜んでいることを彼はまだ知らない。
美濃から江戸まで、中山道の各地を巡る本作。次第に頼もしくなっていく一路の成長と共に各地での美しい風景や人々との触れ合いも見どころの一つ。一路の仲間には、派手な衣装を身に着けた佐久間勘十郎(藤本隆宏)を筆頭に、荒くれ者の丁太(武蔵)&半次(内山信二)、髪結いの新三(忍成修吾)がいる。そんな個性豊かなキャラクターと中山道を行く一路の雄々しく勇敢な姿を、スピーディーな展開と共に楽しんでいただきたい。
文=石塚ともか
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