堤真一が原作人気の高いキャラを好演!映画「姑獲鳥の夏」でも独自の魅力を放った京極夏彦の世界観

「姑獲鳥の夏」
「姑獲鳥の夏」

(C)2005「姑獲鳥の夏」製作委員会

ミステリー界に衝撃を与えた「姑獲鳥の夏」でデビューを果たしてから約30年間にわたり、多くの作品を世に送り出してきた京極夏彦。妖怪をタイトルに冠した「百鬼夜行」シリーズをはじめ、怨霊や怪談といったオカルトをベースにした作品の世界観も独特。1000ページを超える作品も珍しくないが、それにもかかわらず気づけば数日で読了してしまうような蠱惑的な物語や文章のうまさで読者を惹きつけている。

難しい漢字を多用し不穏感や時代感を演出する、情景が目に浮かぶような文章は、映画、ドラマ、アニメで繰り返し映像化されているが、2005年の映画「姑獲鳥の夏」もそのうちの一つだ。

キャストたちが京極夏彦ワールドを体現している「姑獲鳥の夏」
キャストたちが京極夏彦ワールドを体現している「姑獲鳥の夏」

(C)2005「姑獲鳥の夏」製作委員会

京極のデビュー作を、独自の映像美で知られる巨匠・実相寺昭雄が映画化した本作。1952年の東京を舞台に、ある産婦人科医院の娘が20ヶ月も子どもを身籠もったままだという噂を追ううちに作家の男・関口は怪事件に巻き込まれる。友人の中禅寺秋彦(京極堂)とともに、その謎を関係者が納得できる形に解明する「憑き物落とし」の様子が描かれていく。

タイトルにもある「姑獲鳥」という難産で死んだ女性の霊の妖怪にまつわる物語をベースに、密室からの失踪や新生児連続誘拐といった怪事件が絡むおどろおどろしい物語、大胆なトリックが炸裂する京極ワールド全開の1作。ケレン味のあるキャラクターもこの世界観を構築している。

「姑獲鳥の夏」
「姑獲鳥の夏」

(C)2005「姑獲鳥の夏」製作委員会

本作の主人公となるのが、関口が頼る京極堂こと中禅寺秋彦。古本屋を営む京極堂は神主でもあり、安倍晴明の流れを汲む陰陽師。「この世には不思議なことなど何もないのだよ」が口癖で、何を考えているのか分からない飄々としているが、博識な知識を生かしながら事件の謎にじりじりと迫っていく。

「百鬼夜行」シリーズの軸として数多くの作品に登場するこのキャラクターを演じたのは堤真一。京極堂の浮世離れした雰囲気を、ゆったりとしたセリフ回しや何ごとにも動じない余裕溢れる佇まい、時おり浮かべる精悍な顔つきまで、巧みに表現している。

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放送情報

姑獲鳥の夏
放送日時:2023年7月8日(土)11:00~
魍魎の匣
放送日時:2023年7月8日(土)13:15~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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