そんな武蔵の心の拠りどころとなる女性・お通役を演じた米倉涼子。米倉の大河ドラマ初出演かつ初の時代劇という意味でも本作は貴重な作品と言える。所作や劇中で披露した笛まで日々練習を重ね、直向きに役に挑む姿がお通と重なる。2人の恋の行方も本作の見どころの一つだ。
苛烈な戦いを経て、武蔵は剣豪へと成長していく。次第に鋭さを増していく眼光、雄々しく凄みのある表情、放たれる言葉の一つひとつに魂が込められている。泥臭く、迷いながらも必死に生きて、人を愛した武蔵という人間を丁寧に解釈した新之助が、武蔵として熱くエネルギッシュに生き抜いていた。
文=中川菜都美









