「西部警察」の系譜を受け継ぎ、渡哲也舘ひろし神田正輝ら石原軍団の俳優たちが躍動する異色作「ゴリラ・警視庁捜査第8班」

(C)石原音楽出版社

初回から台湾とフィリピンでの海外ロケを敢行するなど、西部警察をしのぐド派手な作風で注目を集めたが、中盤からはコマンド色が薄まって「西部警察」同様の国内ロケと物量アクションを中心に刑事ドラマ的な色彩に変わっていった。それでも大量爆破などのハードアクションは相変わらずの迫力で楽しませてくれる。さらに終盤では、石原プロ作品「大都会 闘いの日々」(1976年・日本テレビ系)のシリーズ構成を務めた倉本聰を脚本監修に迎え、ヒューマンドラマとしての体制も強化。アクションドラマとしての体裁を維持しつつ、言葉を失った妻・静江(柏木由紀子)を献身的に介護する倉本の姿や、病魔に冒された伊達を軸に据えるなどの感動的なストーリーが描かれた。

(C)石原音楽出版社

「西部警察」のDNAを継承する、ポリスアクションの決定版である「ゴリラ・警視庁捜査第8班」は、渡哲也、舘ひろし、神田正輝ら石原軍団の俳優たちが躍動し、当時大流行したDCブランドスーツを身にまとったスタイリッシュなドラマでもある。共演には、加納みゆき(後期は田中美奈子)、谷啓、鈴木瑞穂らが登場。毎回のゲスト俳優も個性派ばかりで、初回の犯人役である原田芳雄の色気と存在感は出色だ。ヒロイン的に登場する女優陣も印象的で、特に元ピンクレディーのMIE(現・未唯mie)が歌手役で登場する第33話は、MIEの歌声と美しさが切ないストーリーの中で光っていた。後半のレギュラーとなる田中美奈子の元気な明るさも魅力十分だ。

「西部警察」のインパクトが凄すぎただけに、やや印象が薄まってしまった感があるものの本作も見ごたえたっぷりで、もっと評価されていい作品だと感じる。今回ホームドラマチャンネルでオンエアされるので、石原軍団の魅力を改めて確認してほしい。昭和の刑事ドラマファンにはもちろん、本作を知らなかったという現代のファンにもぜひ楽しんでほしい。

文=渡辺敏樹

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放送情報【スカパー!】

ゴリラ・警視庁捜査第8班
放送日時:3月31日(日)スタート 毎週(日)0:30~

放送チャンネル:ホームドラマチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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