木村文乃が、孤独と心の葛藤を抱える女性を演じるヒューマンドラマ「LOVE LIFE」

木村文乃が主演する映画「LOVE LIFE」
木村文乃が主演する映画「LOVE LIFE」

(C)2022映画「LOVE LIFE」製作委員会&COMME DES CINEMAS

問題を抱えつつも、平和な日常を過ごしていた一家に、予想だにしなかった悲劇が襲いかかる。優しかった義母も取り乱し、妙子に心ないことを口走ってしまったりと、夫婦は追い詰められていく。しかし、自分を責める妙子は憔悴しながらも二郎と普通に会話をし、決して泣き叫んだりはしない。滅多に目を合わせない夫婦の距離感と、感情を内側に押し込める性格の妙子。心情のみならず、家の中に漂っている重苦しい空気までが映像を通してリアルに伝わり、登場人物の心理が細やかに描き出されていく。そんなヒロインの心の扉を破ったのは元夫でろう者のパク・シンジ(砂田アトム)だった。かつて姿を消したパクが、突然妙子の前に現れたことによって、妙子がそれまで抑え込んでいたものが堰を切ったように溢れ出すシーンなど、難役に挑んだ木村から目が離せなくなる。

■喪失感と虚無感の中、生きていく主人公が選んだものとは?

NPOでホームレス支援活動を行なっている妙子はホームレスになっているパクを放っておくことができず、市役所の福祉課に勤めている二郎からの勧めもあり、就職活動の相談に乗ることになる。手話で笑ったり怒ったり、表情豊かにパクとコミュニケーションをとる妙子を見て、複雑な心境に陥る二郎だったが、二郎もまた、妙子と結婚する前に付き合っていた元恋人と再び会うようになる。
自分の気持ちに正直で頼りなく、捨て猫を放っておけない優しさを持つパクと、妙子と同じように本当の気持ちを表現することが苦手なポーカーフェイスの二郎。誰もが器用には生きていけず、「ひとりで死ぬのが怖いの」と妙子に話す義母も、孤独を知りながら、孤独とうまく付き合っていけずにいる。

当たり前だった日常が崩れ去った中、ヒロインはどんな選択をするのか――。「LOVE LIFE」というタイトルが意味するものとは?エンディングまで見届けずにはいられなくなる作品だ。

文=山本弘子

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放送情報【スカパー!】

LOVE LIFE
放送日時:2024年3月3日(日)21:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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