たった1人で数億円もの徴収をしたことが評価され、西伊豆税務署から東京国税局査察局情報部門に異勤することになった松子(米倉)。派手なドレスでホストクラブに潜入してナンバー1ホストに接近したり、売れっ子経営コンサルタントの桐島(森口遙子)に面と向かって「あなた、脱税してませんか?」と言い放ったりと、査察部の面々を凍りつかせる。相手が身につけているものの価格を瞬時に見抜き、最初は勘でしかないものの、"クロ"だと思ったら、相手の車を自転車に乗って追いかけ、大胆で粘り強いやり方で脱税者の証拠を掴んでいく。
暴走しがちな松子に統括官の曽根(泉谷しげる)も手を焼き、上司でバリキャリの犬養(飯島直子)からは「女の武器を使うなんて、あなたには査察官の誇りがないの?」と言われるなど、周りからは"相性最悪"と言われているが、バディの三木(塚本高史)だけは松子の行動力に惹かれ、振り回される結果に――。
相手が誰であろうとズバズバ思ったことを言い、身体を張った調査で結果を出し、情に厚い面も持つ松子を、米倉がアクティブかつコミカルに演じている。
■松子と周りの人たちとの人間ドラマも見どころ
松子にとって家族のような存在が鉄子ママと、元ヤンで、クリーニング店で働いている友也(瀬戸康史)だ。毒舌ながらも松子を見守っている鉄子は、時には情報を得るために松子と一緒にゴルフ場のキャディーに扮装したりと大奮闘。松子を姉のように慕っている友也は、松子の職業を知らずに調査に協力している。
ドラマは物語が進むに連れて、それぞれの過去や事件が明らかになっていく展開。松子を西伊豆から引き抜いた新田が突然顔を出し、鉄子ママと意味深な視線を交わしたり、店に集まる更生させたキッズたちにママが「人間っていうのは分不相応なお金を持つと地獄に落ちてくんだよ」と深い言葉を放ったりと、後のストーリーの伏線になるシーンや台詞が数々登場する。
最終話ではドラマ初出演となるマツコ・デラックスがゲストで登場し、松子とエレベーターに落ちた100円玉を取り合うシーンが出てくるが、これもドラマを見ているとニヤリとさせられるポイント。私腹を肥やす金持ちを嫌い、暴走ゆえに案件から外されても諦めない米倉の熱量マックスの演技を堪能してほしい。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
ナサケの女~国税局査察官~
放送情報:2024年3月26日(火)7:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル2
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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