吉沢亮の迫真の演技が心に響く...橋本愛との夫婦愛や、草なぎ剛との主従関係など、心揺さぶる名演を生んだ大河ドラマ「青天を衝け」

パワフルに時代を駆け抜けた栄一だが、その功績も周囲の人の支えがあったからこそ。劇中でも様々な人間ドラマが描かれているが、中でも印象的なのは、内助の功として栄一を支えた妻・千代(橋本愛)との夫婦愛だ。幼なじみとして育ち、結婚することになる2人。おしゃべりな栄一に対し、口数は少なくとも深い愛情を持って包み込む千代との温かな空気感は絶妙で、プロデューサーからも「本当の夫婦のようだった」と言われたほど。

それ故に、明治時代に大流行したコレラに千代が感染し、息を引き取るシーンは悲しさもひとしお。死の間際でも栄一を励まそうとする千代と、「逝かねぇでくれ」とすがりつく栄一の姿には「胸が張り裂けそう」と視聴者からも悲しみの声が多く上がった。

栄一との関係性という点では、幼少期より常に切磋琢磨し合ってきた2歳上の従兄であり、唯一無二の相棒・渋沢喜助(高良健吾)との友情はもちろん、草なぎ剛(※草なぎの「なぎ」は正しくはゆみへんに「剪」)が演じた江戸幕府第15代将軍・徳川慶喜との主従関係も忘れ難い。攘夷の志士を目指したことで幕府から追われる身となった栄一は、慶喜の側近・平岡円四郎(堤真一)に引き立てられ、慶喜に仕官することに。この運命的な出会いこそ、栄一が"歴史上の偉人"として名を残す契機となるのだ。

才気に溢れた提案をする栄一に信頼を寄せ、重用するようになる慶喜。吉沢演じる"動"の栄一に対して、"静"を貫く草なぎの抑えた芝居も素晴らしく、新たな世を作るために共に奔走する2人の間には、主従関係を越えた絆が見え隠れする。

やがて"大政奉還"を機に表舞台から退き、世間からの批判の声に晒される慶喜の名誉を回復するため、その功績を後世に伝えようと、私財を投げ打って慶喜の伝記の編纂を始める栄一。晩年の2人が交わす一つ一つの会話が重く、説得力に溢れており、胸に沁み入ること必至。特に、幕末を振り返り、自責と後悔の念を静かに口にする慶喜の佇まいには、今見返しても、改めて引き込まれてしまうことだろう。

この記事の全ての画像を見る

放送情報【スカパー!】

大河ドラマ「青天を衝け」
放送日時:2024年4月5日(金)0:00~
※毎週(火)~(土)0:00~
100分de名著 渋沢栄一『論語と算盤』
放送日時:2024年4月15日(月)~18日(木)9:00~

チャンネル:チャンネル銀河 歴史ドラマ・サスペンス・日本のうた
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物