綾野剛＆齋藤潤の見事な化学反応！映画「カラオケ行こ！」で表現した絶妙な関係性と成長

普通なら絶対に交わるはずのない者が、ひょんなことから出会いを果たす。そんなワクワク感に満ちた展開を思春期の輝きと共に描いて観客を魅了したのが、和山やまの人気コミックを実写映画化した「カラオケ行こ！」だ。今や邦画界を代表する俳優の一人となった綾野剛と、オーディションで選ばれた齋藤潤が見事な化学反応を起こし、いつまでも心に残り続けるような秀作として完成している。

合唱部部長の中学3年生が突然ヤクザからカラオケに誘われ、歌の指導を頼まれるという奇抜な設定と、予想に反するエモーショナルな展開や思わずクスッと笑ってしまうユーモアなどで、「マンガ大賞」や「このマンガがすごい！」など数々のマンガ賞に続々とランクインしたコミックを映画化した本作。独特な世界観で支持を集めている和山の漫画が映画化されたのは、本作が初のこととなった。

監督を務めたのは、「1秒先の彼」(2023年)や「リンダ リンダ リンダ」(2005年)など人間をやさしく見つめる視点に定評のある山下敦弘。今年は、青春群像劇「水深ゼロメートルから」や、生田斗真＆ヤン・イクチュンの熱い激突も注目された「告白 コンフェッション」、いましろたかしによる同名漫画をアニメ映画化した「化け猫あんずちゃん」と監督作が次々と公開されるなど、ますます勢いを増しながらバラエティ豊かな作品に挑んでいる。

そして社会現象を巻き起こした「逃げるは恥だが役に立つ」(2016年)や、法医学者の世界を描いた「アンナチュラル」(2018年)、犯人逮捕にすべてを懸ける刑事の姿を追った「MIU404」(2020年)など、数々の映画やドラマで見る者の心を掴んでいる野木亜紀子が脚本を担当。8月23日(金)からは「アンナチュラル」＆「MIU404」と同じ世界線で物語が展開する超話題作「ラストマイル」の公開が控えており、こちらも稀代の脚本家として常に新作を待ち望まれているクリエイターの一人だ。

本作では、山下監督作品の特徴でもあるコミカルな味わい、ひたむきに日々を生きる人の美しさを捉える野木の手腕も冴え渡り、それぞれの持ち味を生かしながら和山による人気原作が映像化された。

この記事の全ての画像を見る