松田優作出演の『蘇える金狼』『野獣死すべし』は、アクションスターとしての輝きと、ハリウッドへ舵を切る瞬間を記録した記念碑的作品

『蘇える金狼』
『蘇える金狼』

強烈な個性と圧倒的なカリスマ性で、1970~80年代の昭和映画界を駆け抜けた不世出のスター、松田優作。がん闘病中に出演し、遺作となったハリウッド進出作『ブラック・レイン』(1989年)の鬼気迫る演技は今や語り草だ。ほかにも数々の伝説を残し、時代が平成から令和へと移った今もその人気は衰えない。今年の11月6日には没後35年を迎えるが、これを記念してハードボイルドアクションの代表作『蘇える金狼』(1979年)と『野獣死すべし』(1980年)の2本が、WOWOWプラスで放送される。

■ハードボイルド映画の名手・村川透監督とのコンビの集大成『蘇える金狼』

大ヒット刑事ドラマ「太陽にほえろ!」(1972~86年)のジーパン刑事役で1973年に俳優デビューした松田は、185㎝の長身と野性味あふれるたたずまいを武器に、アクションスターとして頭角を現す。やがて、ハードボイルド映画の名手・村川透監督とのコンビで『最も危険な遊戯』『殺人遊戯』(共に1978年)を成功させた松田は、その集大成ともいえる『蘇える金狼』に挑むことに。原作は大藪春彦の同名小説。昼は黒縁メガネとスーツで地味なサラリーマンとして働く一方、夜はボクシングで鍛えた肉体と強盗で手に入れた1億円を武器に、会社を食い物にする悪徳経営陣に戦いを挑む男・朝倉哲也の活躍を描いたピカレスクロマンだ。

本作で松田は、それまで培ってきた持ち味を存分に発揮。海外で1週間の射撃訓練を行ったガンアクションをはじめ、アクションシーンは見応え十分。そこに、長身を生かしたスタイリッシュな佇まいと時折見せるユーモアが加わった唯一無二のキャラクターが観客を魅了し、松田は大ブレイクを果たすこととなった。

それまでのハードボイルド路線を継承した本作の中で、特筆すべきは壮絶なラストシーンだ。役が憑依したかのような入魂の演技は、名門・文学座出身の松田の実力をまざまざと見せつけ、まさに独壇場だ。

■凄まじい役作りで圧倒的な存在感を発揮した『野獣死すべし』

この記事の全ての画像を見る

放送情報【スカパー!】

蘇える金狼(1979)
放送日時: 11月6日(水)18:30~
野獣死すべし(1980)
放送日時: 11月6日(水)21:00~
チャンネル: WOWOWプラス
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物