「探偵物語」など色あせない名作と共に俳優・松田優作は死なず

「蘇える優作~『探偵物語』特別篇」
「蘇える優作~『探偵物語』特別篇」

1989年11月6日、俳優・松田優作が40歳という若さで亡くなってから29年。長い手足から繰り出されるしなやかな動き、狂気をもはらんだニヒルな存在感。そして役作りのためなら、時に奥歯を抜き、急激に体重を落とすこともいとわない役者としてのストイックな姿勢など。その存在感は色あせることなく、今なお多くのファンを魅了し続けている。

「最も危険な遊戯」

(C) 東映

松田の人気を決定づけたのは1973年に出演したTVドラマ「太陽にほえろ!」だろう。松田演じるジーパン刑事が、腹を銃で撃たれ「なんじゃこりゃ!」と叫ぶ殉職シーンは鮮烈な印象を残し、彼は一躍時代のヒーローとなった。その後、松田のアクションスターとしての地位を確固たるものとしたのが、村川透監督とタッグを組んだ映画『最も危険な遊戯』『殺人遊戯』『処刑遊戯』。一匹狼の殺し屋・鳴海昌平を主人公とした「遊戯」シリーズは、ダークかつハードボイルドな世界観で繰り広げられる死闘をスタイリッシュに描き出し、後の日本映画やTVドラマなど多くの作品に影響を与えた。

「殺人遊戯」

(C) 東映

『最も危険な遊戯』は、東映のプログラムピクチャー再興を旗印に立ち上げられた東映セントラルフィルム(現:セントラル・アーツ)の第1回制作作品。このシリーズを通じて、後の松田を支え続けた黒澤満プロデューサー、松田と共に数多くの作品を生み出した脚本家の丸山昇一ら、松田のフィルモグラフィーを語る上で欠かせない"共犯者"たちと出会うことになる記念碑的作品ともいえる。

「処刑遊戯」

(C) 東映

1979年から1980年にかけて、松田はTVドラマ「探偵物語」に出演する。SHOGUNの主題歌「Bad City」で始まる軽妙なオープニング。松田演じる工藤が着用する中折れハット、赤シャツ、白ネクタイといった独特のファッション。そして、所々に織り込まれるギャグやアクションなどは多くの若者の心をつかんだ。それまで多くの作品で彼が見せていたシリアスな側面とはまたひと味違った、松田の新たな代表作となった。

「ヨコハマBJブルース」

(C) 東映

しかし、1980年の『野獣死すべし』あたりを境に、松田はアクションスターからの脱却を図るようになる。1981年の『ヨコハマBJブルース』は松田が原案。オール横浜ロケのモノトーンが印象的な作品であり、「BJ」と呼ばれる売れないシンガーが、副業の私立探偵業で麻薬シンジケートの中枢部に入り込み、危機に陥る物語だ。彼がラブコールを送り続けていた工藤栄一監督との念願のタッグ作品となり、これまでとは違う抑えた演技を見せている。また、ブルースシンガーとしての彼の歌声を堪能できる点も注目だ。

アクションスターを脱却した松田は、映画作品としての遺作となったハリウッド映画『ブラック・レイン』まで、1本1本の作品に全力投球。常に新たなフィールドを開拓し続けてきた。そんな松田の熱い思いが詰まった出演作の数々は、きっとこれからも多くのファンを魅了していくことだろう。

文=壬生智裕

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放送情報

最も危険な遊戯
放送日時:2018年11月28日(水)22:00~
殺人遊戯
放送日時:2018年11月30日(金)22:00~
処刑遊戯
放送日時:2018年12月4日(火)20:00~
蘇える優作~「探偵物語」特別篇
放送日時:2018年12月5日(水)20:00~
ヨコハマBJブルース
放送日時:2018年12月6日(木)20:00~
チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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