早世した名優・松田優作、没後30年で蘇る名演技の数々

松田優作(『野獣死すべし』)
松田優作(『野獣死すべし』)

©KADOKAWA 1980

1989年11月、享年40歳という若さで松田優作がこの世を去った。演技に対して常に真剣で、役作りのために10kg以上減量したり、奥歯を4本抜いたというエピソードさえある。身体を張った演技には圧倒的な迫力があり、今なお多くのファンに愛されている名優だ。

松田がその名を轟かせたのは、やはりレギュラー出演していた1973年の刑事ドラマ「太陽にほえろ!」のジーパン役だろう。殉職シーンのセリフはあまりにも有名だ。その後もドラマ「探偵物語」(1979年)を始め、数々の作品に出演。1989年にはアメリカ映画『ブラック・レイン』でハリウッドデビューを飾ったが、その時すでに病に侵されていて、世界に演技を認められながらも世を去ることとなる。

そして没後30年となる今年の11~12月、東映チャンネルの「セントラル・アーツの軌跡 特別篇 松田優作メモリアル」において、松田の出演映画、貴重番組が一挙放送される。11月の「前篇」で放送される10作品を紹介していこう。

『最も危険な遊戯』

©東映

まずは1978年の映画『最も危険な遊戯』。主演・松田優作、監督・村川透のコンビで送る『遊戯』シリーズ第1作目で、ハードボイルドタッチのアクション映画だ。松田は財閥どうしの抗争に巻き込まれた一匹狼の殺し屋・鳴海昌平を演じる。

180cmを超える体躯は、立ち回りで他を寄せ付けない迫力を生み出す。傷の痛みに苦しむシーンではその痛みが伝わってくるほどだし、戦いの前にヒロインに引き止められるシーンでは無言でありながら空気で語るほど重厚な演技を見せる。コミカルなシーンでもしっかり笑わせてくれる、充実した映画に仕上がっている。

『遊戯』シリーズはこの後、暴力団同士の抗争の間で鳴海が立ち回る『殺人遊戯』(1978年)、謎の相手から殺しの依頼を受けた鳴海を徹底してハードボイルドに描く『処刑遊戯』(1979年)へと続いていく。

『処刑遊戯』

©東映

注目すべきは1980年の映画『野獣死すべし』だ。過酷な減量をし奥歯を抜いたのは、主人公・伊達邦彦の役作りの時だった。それだけに本作の演技は気迫が違う。

伊達は一見おとなしい青年だが、内部には狂気が潜んでいる。伊達が1人で部屋で過ごすシーンなどで、松田の演技によって伊達という人間がまともではないことがよく伝わってくる。

自ら立てた銀行強盗の計画が進む中で、狂気がにじみ出し、溢れ出し、悲しいまでに狂気に飲まれた内面をさらけ出していく。松田の演技と気迫、そこから生じる強烈な存在感は、ファンならずとも必見と言える。

『蘇る金狼』

©KADOKAWA 1979

この特集では他にも、不良高校生と戦う教師を演じた東映初主演映画『暴力教室』(1976年)、奇妙な友情で結ばれた3人が金と女を巡り衝突する『俺達に墓はない』(1979年)、巨大資本乗っ取りを企む一匹狼を演じた『蘇える金狼』(1979年)、松田が原案を手掛け私立探偵役として主演した『ヨコハマBJブルース』(1981年)などが放送予定だ。

また松田が生前最後に出演したトーク番組「オシャレ30・30 #133(松田優作ゲスト回)」、『処刑遊戯』『野獣死すべし』などの脚本を手掛けた丸山昇一氏が松田の魅力を語る「松田優作メモリアル特番 不在証明」なども放送される。多くの名シーンを残してこの世を去った松田優作の姿を、今だからこそじっくりと楽しんでほしい。

文=堀慎二郎

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放送情報

松田優作メモリアル特番 不在証明
放送日時:11月4日(月)20:00~
暴力教室
放送日時:11月4日(月)20:30~
俺達に墓はない
放送日時:11月5日(火)20:00~
ヨコハマBJブルース
放送日時:11月5日(火)22:00~
最も危険な遊戯
放送日時:11月6日(水)20:00~
野獣死すべし
放送日時:11月6日(水)22:00~
オシャレ30・30 #133(松田優作ゲスト回)
放送日時:11月6日(水)24:00~
殺人遊戯
放送日時:11月7日(木)20:00~
蘇える金狼
放送日時:11月7日(木)22:00~
処刑遊戯
放送日時:11月8日(金)20:00~
チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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