竹内は物語を通して間宮と同じように「変わった」。劇場版では間宮が元来保持していた優しさと意志を貫く力をミライを守るという形で堂々と表現しながらも、シーズンが進む中であった裏切りや事件によって培った残忍な部分も表現しており、役者がキャラクターと同一化して変化しているように感じるのはそれだけはまり役だったのだろう。また、劇場版では娘の命か全人類の命かという状況で迷わず父親としての立場を吠える姿が予告編から映されていたが、映画全体を通してミライの父親としての責務を果たそうとする竹内の芝居の迫力はアクション・気持ちの表現、共に目を見張るものがあった。その迫力を出すには来美という存在を通して得た感情をしっかりと溜飲しなければならなかったはずだが、劇中とは違い現実の竹内は3年間の演じる中で別の作品にも出演している。そう簡単に切り替えるのは難しい。しかし、本作ではもはや間宮として現実を生きていたのではないかと思うほど、気持ちが切れていなかった点で、竹内の1つの代表作といえるだろう。
この作品をはじめから観ようとすれば、かなり時間がかかる。しかし、映画のみを鑑賞したい方はシーズン4だけを観ただけでも楽しめると思う。是非、竹内涼真の迫真の演技をご覧あれ。
文=田中諒
放送情報【スカパー!】
劇場版 君と世界が終わる日に FINAL
放送日時:11月09日(土)00:40~
放送チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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