年の瀬の風物詩とも言える「忠臣蔵」に、自由かつ大胆な発想を加えた時代劇コメディ「身代わり忠臣蔵」。主演のムロツヨシを中心に個性派俳優たちが繰り広げる躍動感あふれる熱演や思わず「まさか!」と釘付けになるような意外な展開などワクワク感もたっぷりで、令和を生きる老若男女の心に響くエンタテインメント作品となっている。
12月14日(土)にWOWOWシネマで放送される本作は、「超高速!参勤交代」(2014年)や「引っ越し大名!」(2019年)といった大ヒットコメディ時代劇を生み出してきた作家・脚本家の土橋章宏による同名小説を映画化。嫌われ者の殿・吉良上野介(ムロ)が江戸城内で斬られる事件が発生。斬った赤穂藩主は当然、切腹。だが、殿を失った吉良家も幕府の謀略によって、お家存亡の危機を迎えてしまう。そんな一族の大ピンチを切り抜けるべく、上野介にそっくりな弟の坊主・孝証(ムロ)が身代わりとなって幕府をダマす、前代未聞の"身代わりミッション"に挑む。
上野介と、兄の上野介から追い出されて路頭に迷っていたなまぐさ坊主の孝証の二役をムロが好演。上野介の時は周囲にねっとり、じっとりと嫌味を放つ、思い切り憎たらしい表情を披露。一方、孝証としては、兄の身代わりにされてジタバタしたり、女性にデレデレしたりする様子など、観ているこちらも胸踊るようなさすがのコメディ演技を見せている。
殿としての視線を得たことで、孝証は次第に変化を遂げていく。世の中の矛盾に気づいたり、家臣たちに愛情深い眼差しを向けたりと、ムロがコミカルとシリアスを見事に行き来しながら、孝証というキャラクターに味わいや深みを与えている。ムロの熱演あってこそ、孝証が生きる上での喜びを知っていく姿、そして「間違えたら謝ればいいのに」といったセリフなど、彼のたどる道のりが現代人の私たちもハッとするようなものとして突き刺さる。
そしてムロを中心に、面白い役者がズラリと顔を揃えているのも本作の魅力だ。吉良上野介と孝証の敵でありながら、秘密の相棒となっていく赤穂藩家老・大石内蔵助を演じるのは永山瑛太。内蔵助の実直さ、おひとよしな一面を説得力と共に体現した永山だが、かつて自身の初主演映画「サマータイムマシン・ブルース」(2005年)でムロと共演した彼が、今度はバディとして本作に駆けつけているという背景もアツい。この再タッグで役者自身の思いも投影されたかのような、孝証と内蔵助の結んでいく友情関係は感涙必至だ。
放送情報【スカパー!】
身代わり忠臣蔵
放送日時:2024年12月14日(土)20:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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