当時16歳の吉永小百合の健気な美しさが際立つ映画「警察日記 ブタ箱は満員」

「警察日記 ブタ箱は満員」(衛星劇場)
「警察日記 ブタ箱は満員」(衛星劇場)

伊藤永之介の小説「警察日記」を映画化した1955年公開の「警察日記」は、森繁久彌が主演してヒットした。伊藤は労農派の作家として活躍し、本作の舞台も福島県である。同年に続編も撮られたが、派生した作品として「警察日記 ブタ箱は満員」という映画が1961年に公開された。

健気ながらも凛々しい表情のヨシエ(吉永小百合)
健気ながらも凛々しい表情のヨシエ(吉永小百合)

(C)日活

川崎俊祐と青山民雄が脚色し、「ガラスの中の少女」(1960年)の若杉光夫が監督した明朗編で、舞台や登場人物は全2作映画とは異なる。本作の舞台は山形県の尾花山町にある警察署。コソ泥やダイナマイト窃盗、出歯亀らが続々と出現して、警察署は大忙し。そんなドタバタ騒動とお人好しの警官たち、そして貧しさゆえに身売りを決意する純朴な少女・ヨシエのエピソードを主軸に描かれている。映画デビュー間もない当時16歳の吉永小百合がヨシエを演じたことで映画ファンには知られている。

物語は、緑の山々に囲まれた小さな町・尾花山町の警察のあわただしい日常で幕を開ける。栗橋署長(嵯峨善兵)をはじめ、若い平巡査の花川(沢本忠雄)ら総勢8人の警察官が人口数千のこの町一帯の治安を維持しているが、珍事件の連続だ。能なし亭主の山田与助(武藤章生)は、女房シゲ子(黒田郷子)に家を追い出されて絶望。鉄道自殺を試みるが、怖気づいて鉄橋から川に飛び込む。さらには春の陽気に浮かれた自称宇宙人やインチキ宗教の教祖などで留置場は満員。そんな時、集団就職したはずのヨシエ(吉永小百合)たちが帰って来た。過酷で不当な労働条件の惨状を同級生の花川巡査に訴えるヨシエ。彼女の父・勘次郎(宇野重吉)は、大酒飲みで莫大な借金を背負っており、家計は火の車。帰って来たヨシエも幼い弟のためにある決意を固めていたのだが...。

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放送情報【スカパー!】

警察日記 ブタ箱は満員
放送日時:1月18日(土)1:30~ ほか
放送チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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