草なぎ剛が演じた純で無骨な武士と、新垣結衣が演じた強気な姫の悲恋物語に涙する！映画「BALLAD 名もなき恋のうた」

新垣が演じる廉姫は、凛とした瞳が印象的な強気な女性で、又兵衛とは幼馴染みでもある。狩りをする高虎を止める回想シーンでの射抜くような眼差しなど、その強い瞳に惹かれるシーンが数多くある。

廉姫も心の中では又兵衛に想いを寄せているが、突然、高虎から結婚を申し込まれる。その時の廉姫は、終始緊張した様子だ。断れば攻められるかもしれないからだ。
その後の父・康綱との会話でも、顔を強張らせて「お父上が決めることにございます...」と言う。その表情と雰囲気から、戦国の世の定めに翻弄される女性の悲哀がひしひしと伝わってくるのは、やはり新垣の演技力があってこそだろう。

そんな廉姫が、自分の想いをあらわにする場面がある。湖の畔で又兵衛に向かって「お前が戦で命を落とさぬよう祈っている」というシーンだ。告白にも似たその言葉を口にした時の、目の輝きと柔らかな空気は、まさに想いを秘めている人のものであり、自らの想いに素直な廉姫がとても魅力的に映る。

互いに想い合いながらも、戦国の定めにより引き離されようとしている2人。そんな2人の気持ちを、未来から来た真一たちが繋いでいく。廉姫が高虎との結婚を断ったことで、高虎が春日の国に攻め入ってくる。しかし、真一を救うために未来から来た両親・暁(筒井道隆)と美佐子(夏川結衣)も、又兵衛たちに加勢する。現代と戦国、そしてそれぞれの想いが入り乱れるこの感動作を、草なぎと新垣の演技と共に、ぜひじっくりと味わいながら見てほしい。

文＝堀慎二郎

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