
また、坂田を突き動かす感情の核となっている娘・りょう(當真あみ)に対する"父性"も表現。幼き娘に向けられた優しい笑顔や口調から、死んだと思っていた娘が生きていたことへの驚きのまなざし、成長した娘との再会を果たした際の言葉も出ない様子など、エモーショナルな演技を披露している。本編を通じて生田の発するセリフはたったの24個だが、キャラクターの感情の揺らぎを体現した身体表現の数々はお見事だ。

そんな坂田に襲い掛かる敵たちも個性豊かで、尾上松也はペラペラと口数の多いラスボス・春原市長の軽薄さを絶妙な笑みと声色で体現。また、リョウを理想の女性にするために育てていた伏には東出昌大が演じており、スマートな振る舞いの一方で隠しきれない変態性がにじみでたキャラクターで嬉々とした怪演を見せ、生田のソリッドな演技とのコントラストで物語にケレン味をもたらしている。

寡黙でハードコアな殺し屋と娘を思う父親という相容れないようなキャラクター像を、メリハリのある演技で浮かび上がらせた生田。彼の役者としての幅の広さを「Demon City 鬼ゴロシ」で堪能できるはずだ。
文=HOMINIS編集部
<配信情報>【Netflix】
Netflix映画「Demon City 鬼ゴロシ」2025年2月27日(木)より世界独占配信
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