
新世代の若手監督たちが世界で注目を集めている。第77回カンヌ国際映画祭・ある視点部門などで好評を博したのが、奥山大史監督による『ぼくのお日さま』だ。フィギュアスケートを通して出会った人々の交流を描く物語で、新人の越山敬達、中西希亜良が特別な輝きを放つと共に、池松壮亮、若葉竜也という日本映画には欠かせない実力派が恋人役を演じて、2人でしか生み出せない空気感を作り出している。
4月6日(日)にWOWOWシネマで放送される本作は、『僕はイエス様が嫌い』(2019年)で、サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を史上最年少となる22歳で受賞した奥山監督の商業映画デビュー作となる。池松が「凄まじい才能」と絶賛する奥山監督はすでに世界中から注目され、カンヌ国際映画祭では日本作品で唯一オフィシャルセレクションに選出。8分間もの熱いスタンディングオベーションで迎えられた。

(C)2024「ぼくのお日さま」製作委員会 / COMME DES CINÉMAS
奥山監督自身も子どもの頃にフィギュアスケートを7年間習い、そこから着想を得て取り組んだのが『ぼくのお日さま』だ。舞台となるのは、冬は雪が積もる地方の町。少し吃音がある小学6年生のタクヤ(越山)は、あるアイススケート場で熱心に練習をする少女さくら(中西)に心を奪われる。
彼女のコーチは都会で選手だった荒川(池松)で、フィギュアスケートを学びたくなったタクヤもその指導を受けることになる。こうして荒川がさくらとタクヤを見守る日々が始まるが、荒川に同性の恋人・五十嵐(若葉)がいると知ってさくらは衝撃を受ける。
池松と若葉が紡ぐ恋人関係も物語の大きな要となるが、2人が生活を積み重ねている部屋で食卓を囲んだり、その日にあった出来事を楽しそうに話したり、彼らの間に流れる空気がとても心地よいものとして映し出されている。寄り添ってタバコやアイスを分け合う笑顔からは、お互いへの思いやりや優しさが伝わってくるし、五十嵐が立ったままカップラーメンをすする姿など「こういう人が隣に住んでいるかもしれない」と感じるようなリアルな生活感もたっぷり。ドキュメンタリーを観ているような吸引力のある映画で、2人の深い心情までがにじんでくるような空間を見事に生み出している。
放送情報【スカパー!】
ぼくのお日さま
放送日時:2025年4月6日(日)21:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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