熱量の高さに心が震える...仲野太賀大島優子若葉竜也が本気で演じた人間関係!

『舟を編む』の石井裕也監督が、仲野太賀、大島優子、若葉竜也らを評して「本気で戦う覚悟がある俳優だけが集まった」と語る映画『生きちゃった』。あこがれの石井組参加に、仲野が「これは自分の代表作になる」と自負すれば、大島も、芝居の時は自分の中の何かが爆発したようで「心が裸になった」と語る同作。まさに人間の魂がぶつかり合うような、熱量の高い芝居が繰り広げられている。

妻と娘と一緒に暮らす30歳の平凡な男・山田厚久(仲野)は、将来は幼なじみの親友・武田とともに起業したいという夢を持っていた。だが、そんな日常は、妻・奈津美(大島)の浮気現場を偶然にも目撃してしまったことから次第に崩壊していく。以前から、不器用で多くを語らない厚久の態度に「愛されている実感がなかった」と不満を抱いていた奈津美。二人の心のすれ違いはすでに修復が難しいところまできており、程なくして二人が「離婚」という決断を下すのは必然のことだった。

『生きちゃった』で主演を務めた仲野太賀
『生きちゃった』で主演を務めた仲野太賀

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そんな状況でも、自分の感情にふたをし続け、心を閉ざす厚久は「なんで俺は何も言えないのかな」とポツリ。そこから半年後、シングルマザーとして娘を育てることになった奈津美だが、同棲中の恋人は自堕落な生活を送っており、金銭的な苦労が絶えない。電話越しに「娘の誕生日プレゼントは何がいい?」と尋ねる厚久に対しても、「それよりも少しでいいからお金を振り込んで」。気丈に振る舞う奈津美の声に、せつなさを抑えきれない厚久。二人の心はどこですれ違ってしまったのか。やがてそんな二人に大きな事件が襲いかかる...。

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もともと本作は、上海国際映画祭が立ち上げた「B2B(Back To Basics) A Love Supreme」というプロジェクトの一環となる。日本の石井監督や、台湾のツァイ・ミンリャン監督など、6カ国の映画監督が同じ予算を受け取り、「至高の愛」と「原点回帰」だけを追求した映画制作を目指す。制約があるのは予算とテーマだけで、「嫌なことはやらない、やりたいことだけやれる」という本プロジェクトは、自主制作からキャリアをスタートした石井監督にとって、まさに"原点回帰"であった。

また作品の純度を高めるため、キャスティングも「一緒に戦える人」「無謀な戦いを一緒になって面白がってくれる人」「この人と組んでみたいと思った人」だけにオファー。仲野、大島、若葉という名実ともに戦える"仲間たち"が本作のオファーを快諾した時は、石井監督自身「奇跡」だと感じたという。一方の仲野にとっても、芸名を「太賀」から「仲野太賀」に変えたすぐ後の作品ということもあり、新たな一歩を踏み出す作品となった。

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仲野と若葉が感情をぶつけ合うクライマックス、そして"とある場所"で大島が叫ぶシーンというのは、本作のハイライトとなる。ストーリーにも関わってくるので、そのシーンの詳細はここでは記せないが、両シーンに共通するのは俳優陣が撮影中は無我夢中となり、感情のコントロールが及ばないところで芝居をしていたということ。そこではまさにむき出しの感情があらわとなっており、それゆえに観る者の心を震わせるシーンとなっている。

文=壬生智裕

放送情報

生きちゃった
放送日時:2022年4月14日(水)22:45~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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