ある日、科学警察研究所の法医第九研究室、通称"第九"の室長に任命された薪と、薪の親友であり第九の副室長・鈴木克洋(中島)のもとに、死刑囚の脳を調べる任務が舞い込む。被告・露口浩一(光石研)は、6年前に妻と次女、義母を刺殺し、死刑が執行された。露口のMRI映像を分析した薪は、違和感に気づき真犯人は別にいると確信する。しかし、すでに露口の死刑が執行されおり、現段階ではどうすることもできず、薪はジレンマを抱えることに。

また別の捜査では、薪が尊敬する脳科学者・貝沼(國村隼)が自殺し、その脳を鈴木ら捜査員が見ることに。だが、映像を見た捜査員たちは精神を病み、第九存亡の危機となる事件に発展してしまう。

それから3年後、鈴木を失った薪の前に、鈴木と瓜二つの新人捜査員・青木一行(中島・二役)が現れる。やる気に満ち、MRI捜査にも前のめりの青木に、最初はツンとした態度だった薪だが、次第に信頼を寄せ、2人は深い絆で結ばれていく。

小柄で美しい顔立ちの薪と背が高くスッとしたイケメンの鈴木(または青木)の最強タッグ。板垣と中島だからこそ実現できた究極のブロマンス。原作の再現度が高いだけでなく、ビジュアルこそかわいいがすごみのある天才という薪を、板垣は見事に表現。冷静沈着な役柄だが、薪の中にある熱き炎も葛藤も危うさもしっかりと演じ切っている。

文＝石塚ともか