黒羽麻璃央と松村沙友理が作り上げる和やかな空気感に癒されるドラマ「焼いてるふたり ~交際0日 結婚から恋をはじめよう~」
俳優

(C)ハナツカシオリ/講談社 (C)「焼いてるふたり」製作委員会
健太は趣味がBBQのアウトドア好きな男性で、恋愛には奥手でピュアなキャラクターなのだが、そんな健太を黒羽は少年のような瑞々しさで好演。千尋に好きになってもらえたことがうれしくて、常に千尋を喜ばせようと頑張る"子犬系男子"をキュートに作り上げている。毎回、一途に一生懸命に愛情を伝えようとする姿は、女性視聴者の心をわしづかみにすることだろう。そんな中で、つい千尋に依存してしまい、SNSの返事が来ないと何件も"追い連絡"をして、挙句の果てにはその日のうちに静岡から来てしまうなど、一歩間違えれば背筋が凍ってしまう行動もあるのだが、黒羽の実直でピュアなキャラクター作りがそれを阻んでいる。

(C)ハナツカシオリ/講談社 (C)「焼いてるふたり」製作委員会
一方、松村演じる千尋は、仕事ができるクールビューティーな女性だが人間関係が得意ではなく、恋愛も奥手というキャラクター。昨今、バラエティなどで"あざとい女子"のキャラクターで人気を博している松村とは真逆のタイプなのだが、松村は平坦な口調やぶっきらぼうなセリフ回し、感情が読みづらいクールな表情など、しっかりとした役作りのもと、見事に演じ上げている。そんな中で、クールさを保ちながらも、心の揺らぎを繊細に表現しているところが素晴らしい。同作品はモノローグの表現がほとんどないため、松村が感情が読みづらい千尋の心の機微をしっかりと描き切っているからこそ、同作品の"ラブ"要素が進んでいくといえる。

(C)ハナツカシオリ/講談社 (C)「焼いてるふたり」製作委員会
それぞれのしっかりしたキャラクター作りもさることながら、特筆すべきは2人が作り出す和やかな空気感だ。役柄としては全く異なる2人だが、恋愛に関しては不思議と歩幅が合うという、意識せずとも馬が合っていくような、ゆっくりじんわりと距離が縮まっていくところが胸に染みる。この中学生のような恋愛初心者同士の不器用なやり取りは、若い世代の心にも刺さるはずだ。そんな、自然に互いが互いを尊重し、求め合い、思いやることでできる和やかな空気感を、2人がナチュラルに作り上げているからこそ、作品に穏やかな風が吹き、安心して見ていられる。
しっかりとキャラクターを作り込んだ黒羽と松村のそれぞれの演技と表現力を楽しみつつ、2人によって作り上げられた和やかな空気感が作品にもたらしているものに思いを馳せて視聴すると、より作品への没入度が増すことだろう。
文=原田健
放送情報【スカパー!】
焼いてるふたり ~交際0日 結婚から恋をはじめよう~ #1
放送日時:2025年7月28日(月)23:50~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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