満島ひかり、惰性で生きていた女性が発奮するまでの心情をじわじわと伝える演技が絶妙!映画「川の底からこんにちは」

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満島ひかりが実家のしじみ工場を立て直す女性を演じたヒューマン・コメディ
満島ひかりが実家のしじみ工場を立て直す女性を演じたヒューマン・コメディ

(C)PFFパートナーズ(ぴあ、TBS、TOKYO FM、IMAGICA、エイベックス・エンタテインメント、USEN)

物語の当初の佐和子は、覇気がなく、自堕落な雰囲気が漂っている。上司に命令されて子どもの粗相を処理している時に倒れ込んでしまったり、給湯室での同僚との会話でズレた返答をしたり、どこか抜けている上、心なしか暗い空気も漂っている。

連れ子のいる恋人・健一が部屋にいる時は発泡酒をすすり、健一とその娘・加代子と一緒に動物園に行っても、楽しんでいるようには見えない。そんな姿からは、佐和子がこれといった希望もなく、惰性で生きている人物であることが伝わってくる。物語の中で佐和子は、自分自身を「中の下の女」と評するが、それ故の"諦め"のようなものがじわじわと伝わってくるのだ。

しかし、父が入院したとの知らせを受けた時から、かすかに変化が現れる。動物園からの帰りのバスで涙を流し、そんな自分に驚いたり、上司が「クズばっかだな」と吐き捨てるように言った時は、心の底に何かが引っかかっているようなまなざし、表情となる。そういった微妙な変化を表す満島の力量はさすがだし、それを効果的に見せるシナリオも秀逸と言えるだろう。

■佐和子が覚醒する時の満島の演技は圧巻!

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放送情報【スカパー!】

川の底からこんにちは
放送日時:2025年8月18日(月)3:30~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

詳しくは
こちら

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