松田聖子×神田正輝の瑞々しい演技がカリブ海に光る!1985年制作「カリブ・愛のシンフォニー」
俳優

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そして1985年4月、主演映画第4弾となる「カリブ・愛のシンフォニー」が公開。1984年は「Rock'n Rouge」「時間の国のアリス/夏服のイヴ」「ハートのイヤリング」をリリースし、1985年1月発売の「ピンクのモーツァルト」も含め、シングルは連続ヒットを記録しており、アイドルとしての人気の高さをキープ。そんな時期に公開された作品である。
神田正輝は、1973年に石原裕次郎に声をかけられ、石原プロモーションに。「大都会PARTⅡ」などに出演した後、中村雅俊主演の「ゆうひが丘の総理大臣」(1978年)、沖雅也や柴田恭兵らと共演した「俺たちは天使だ!」で注目され、1980年から「太陽にほえろ!」に"ドック"こと西條昭刑事役で出演し、俳優としての地位を確立。そんな時期に公開された「カリブ・愛のシンフォニー」は、トップアイドルと人気俳優の共演ということでも注目されていた。
今作の舞台はメキシコ。松田が演じるのは23歳のファッションデザイナー・沢木彩。20歳で新人賞を受賞するほどの才能とセンスがあったが、チーフデザイナーに手柄を独占され、男性の上司からはセクハラを受けてしまうなど人間不信に陥り、会社もデザイナーも辞めることを決意。今後のことを相談しようと、メキシコにいる国際的なデザイナーの最首俊輔(宍戸錠)を訪ねるために渡航した。そして彩にはもう1つ目的があって、それは行方不明だった父親を探すことだった。
メキシコ空港に到着したが、迎えに来るはずの人が見つからずに困っていたところを、新聞社の特派員・松永治(峰竜太)に半ば強引に連れて行かれてしまう彩。松永は上司を迎えに来たのだが、到着が遅れることが分かり、上司のために予約したホテルの部屋を彩に使ってもらおうという親切心からそのような行動を取ったのだが、松永が彩を連れて行ったすぐ後に、神田が演じる日系三世の建築家であるミツアキ・フカヤが空港に到着。序盤は、ミツアキが彩を探すために奔走し、何度かニアミスがありながらもなかなか会えない"すれ違い"が続く。そして、ようやく見つけたと思ったら、松永が彩をホテルから自分のアパートへ車で連れて行くところで、誘拐だと勘違いしたミツアキがタクシーで追いかけ、松永のアパートで大乱闘が繰り広げられるという、ドタバタなラブコメ的展開に。
そういう要素もありつつも、彩とミツアキのラブロマンス、父親探しや、尊敬するデザイナー・最首から才能を認められるなど、メキシコで彩の新たな人生が動き始める。松田は、悩んだり、恋心を抱いたり、悲しんだりしながらも自立しようとする強い気持ちを持つ彩を、感情豊かに表現。一方の神田も、誠実で真面目な性格のミツアキを巧みに演じている。恋愛要素の濃いシーンでは、ドラマティックさが感じられる。
本編内でメキシコの観光名所がたくさん紹介されるなど、旅行ガイド的なシーンがあるのも特徴的な「カリブ・愛のシンフォニー」。2人の若かりし頃の瑞々しい演技に注目して楽しんでもらいたい。
文=田中隆信
放送情報【スカパー!】
カリブ・愛のシンフォニー
放送日時:2025年9月29日(月)19:15~、10月27日(月)11:15~
チャンネル:WOWOWシネマ
放送日時:2025年10月5日(日)7:15~
チャンネル:WOWOWプライム
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