
第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した「ミッドナイトスワン」で知られる内田英治監督。生きづらさを抱える苦しみや、逃れられない痛みから目を逸らさず向き合う作風で観客の心をつかんでいる内田監督だが、この秋に公開を控える北川景子を主演に迎えた「ナイトフラワー」も、我が子のためにもがきながら生きる母の愛が胸に突き刺さる力作として完成している。
そんな内田監督が、珠玉のラブストーリーとして世に送り出したのが「誰よりもつよく抱きしめて」だ。WOWOWシネマで10月11日(土)に放送される本作は、新堂冬樹が2005年に発表した同名小説を映画化したもの。RYOKIこと三山凌輝と乃木坂46の久保史緒里が繊細な表現力を持ち寄り、互いに触れ合うこともできない恋人たちの、切なくも美しい愛を体現している。

(C)2025「誰よりもつよく抱きしめて」HIAN/アークエンタテインメント
絵本作家の良城(三山)と書店員の月菜(久保)は互いを思い合い、同棲をしていたが、良城が強迫性障害による極度の潔癖症を患い、手をつなぐことすら叶わない日々を送っていた。ある日、意を決して合同カウンセリングに出席した良城は、そこで同じ症状がある千春(穂志もえか)と知り合い、月菜は悩みを交換し合う良城と千春の親しげな姿を見てショックを受けてしまう。そんな頃、月菜の前に韓国人シェフのイ・ジェホン(ファン・チャンソン)が現れ、彼女に恋心を寄せていく。
笑顔で食卓を囲みながら同棲生活を送る良城と月菜だが、テーブルや家電、キッチンなど家中に張り巡らされたラップが、独特なムードを映し出している。それは良城が極度の潔癖症で、直接ものに触れられないことへの対応策で、さらに良城は常にビニール手袋を装着して日常生活を送り、月菜に触れることもできなくなっていた。
BE:FIRSTのRYOKIこと三山は、自信に溢れた鋭いオーラを放っているが、良城として映画に登場する彼はその輝きをすべて封印。月菜に触れたくても触れられないもどかしさ、彼女を悲しませていることへの苛立ち、焦りなど、肩や声の震えからも、良城の葛藤が伝わってくる。「りょうき」と読むことができる役名を運命的に担った彼だが、RYOKIから良城への変身ぶりは必見だ。
放送情報【スカパー!】
誰よりもつよく抱きしめて
放送日時:2025年10月11日(土)22:50~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
詳しくは
こちら