
『狂人なおもて往生をとぐ~昔、僕達は愛した~』が2025年10月11日(土)から東京・IMM THEATERにて上演される。
本作は日本演劇界を代表する劇作家、清水邦夫の作品。今回は第 30 回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞するなど、注目を集める演出家・稲葉賀恵の演出で上演される。
ピンクの照明が妖しげに光る娼家。女主人・はな(伊勢志摩)と、その客である男・善一郎(堀部圭亮)、そして女主人のヒモである青年・出(木村達成)、若い娼婦の愛子(岡本玲)とその客の敬二(酒井大成)。彼ら5人はまるでここが一つの家族であるかのようなゲームを始める―。
今回は主演の木村達成にインタビューを行い、本作の注目ポイントや、出の役作りについて聞いた。
――台本を読んだ感想を教えてください。また、実際に演じている中で、印象が変わった部分はありますか?
「まず最初に、素晴らしく面白いと思いました。昭和44年初演の作品ですが、家族の中で起こっている話なので、想像しやすかったからかもしれません。ただ、何回も読むにつれて印象が変わるので、稽古場に入ってからは苦労しています。どんどん自分が思い描いていた解釈が変わっていっています。家族の話なので、一人だけで突っ走るのではなく、共同作業で皆さんと作っていける作品になるのではないかと感じています」
――木村さんが演じる「出」は、さまざまな感情が交錯しているように感じます。どのようにこの人物を読み解き、演じようと思われていますか?
「長男であり、知性的な言葉遣いをするといった役の背景を意識しています。出に惹かれるポイントとしては完璧でないところ。すべてが充実しているよりも、何か足りないところがある人のほうが僕は魅力的に感じます」
――作品の世界観や演出面で印象的なポイント、注目してほしい点を教えてください
「セットに注目していただけたらと思います。立ち稽古が始まって3日経ちましたが格闘を続けています。楽しみにしていてください」
――今回演じる「出」という人物は、これまでのキャリアの中でどのような位置づけになる役でしょうか?また、今回の舞台を通して、今後演じてみたい役やジャンルなど、新たに芽生えた思いはありますか?
「出という人物は、僕の財産になるだろうと思っています。今後演じてみたい役...役者って、やはり役はいただくものなのかなと思っているので、あまり狭めてしまわないように、何も言わないでおきます(笑)」
――今作をご覧になる方へ、見どころやメッセージをお願いします
「限界を決めずに、恐れずに全力で挑みたいと思っています。お見逃しのないよう、よろしくお願いします」

文=HOMINIS編集部
公演情報
『狂人なおもて往生をとぐ~昔、僕達は愛した~』
【作】清水邦夫
【演出】稲葉賀恵
【出演】木村達成 岡本玲 酒井大成 橘花梨 伊勢志摩 堀部圭亮
【公演日程】2025年10月11日(土)~18日(土) 東京・IMM THEATER
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