
豊田利晃監督の「泣き虫しょったんの奇跡」(2018年)以来7年ぶりの長編フィクション映画であり、「破壊の日」(2020年)以来の顔合わせとなる窪塚洋介×松田龍平のW主演作として期待を集める「次元を超える」(10月17日(金)公開)。
豊田作品の常連が集った豪華な座組の1作だが、その中でも2023年11月に亡くなったチバユウスケが歌うThe Birthdayの人気曲「抱きしめたい」がエンディングを飾っていることにもファンから熱い反響が寄せられている。

(C)次元超越体/DIMENSIONS
「THE FIRST SLAM DUNK」(2022年)の鮮烈なオープニングを盛り立てる「LOVE ROCKETS」のスマッシュヒットでも知られるThe Birthday。この人気バンドを率いたチバと豊田監督はこれまでも幾度となくタッグを組み、特別な関係を築いてきた。
その始まりは豊田の名を世に知らしめた出世作「青い春」(2002年)。松田が主演を務めた本作では、エンディングに流れた「ドロップ」ほか、かつてチバがフロントマンを務めたTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの数多くの楽曲が、荒々しく切実な青春模様を盛り上げた。
さらに「I'M FLASH!」(2012年)の主題歌「I'M FLASH」では、チバが映画のためにI'M FLASH! BANDを組み、豊田がミュージックビデオを手がけるなど交友を深めてきた両者。それから13年ぶりのコラボとなったのが今回の「次元を超える」だ。

(C)次元超越体/DIMENSIONS
2019年の短編「狼煙が呼ぶ」にはじまり、「破壊の日」、「全員切腹」(2021年)、「生きている。」(2022年)、「ここにいる。」(2023年)、「すぐにゆく。」(2024年)と、豊田が実体験をもとに監督人生をかけて毎年作品を積み重ねてきた「狼蘇山」シリーズ。
狼信仰を軸に混沌の時代に挑むこのシリーズの集大成にあたる「次元を超える」では、怪しげな宗教家のもとで消息を絶った修行者と彼の恋人から捜索を依頼された暗殺者が、過去、現在、未来、そして日本、地球、宇宙を股にかけた壮大な追跡劇を繰り広げる。

(C)次元超越体/DIMENSIONS

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主人公の一人である狼介を演じるのは窪塚。息子・愛流も声の出演を果たした本作では、持ち前のただならぬオーラを活かし、新たな境地へと辿り着こうとする孤高の修行者像を表現。一方、対峙する謎の暗殺者の新野を演じる松田も、淡々とした演技、佇まいが作品のミステリアスな世界観にマッチしている。
「ピンポン」(2002年)と「青い春」という松本大洋作品に共に同時期に出演するなど、鏡に写したようなキャリアを持つ窪塚と松田。「破壊の日」ではすれ違うだけだったため、本格的な共演は初めてだが、2人の間に漂う空気感だけで関係性を体現する。
映画情報
次元を超える
2025年10月17日(金)より公開中
(C)次元超越体/DIMENSIONS
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