彩風咲奈、退団から1年――「宝塚ロス」を経て見つけた自由と挑戦
俳優

――印象に残っている作品は?
「NHK大河ドラマの『西郷どん』です。鈴木亮平さんのお芝居がとても好きで、西郷隆盛のおおらかさが夢介を演じるうえでのエッセンスになればと思いながら観ていました」
――雪組が得意とする日本物で主演を務められた際のプレッシャーや決意については?
「"和物の雪組"と言われていますので、お稽古場からとても厳しかったです。着物の着方ひとつとっても、少し乱れていれば上級生からすぐに直すよう注意されましたし、袖を通した瞬間から整えるようにと教わりました。
所作や座り方など細かな部分までご指導いただき、自分も下級生に伝えていかなければならないという責任を感じていました。日本物に臨むときは、自然と背筋が伸びる思いがありましたね。ただ『夢介千両みやげ』は武士役ではなかったので、"かっこつけなくてもいいんだ"と思えたのは大きかったです。気負いすぎず、ある種の気楽さを持って舞台に立てたように思います」

――収録では夢介の役作りが難しかったとおっしゃっていましたが、訛りのある話し方など苦労されたことはありましたか?
「訛りは特に苦労した覚えはありません。もともと方言のある人間だからかもしれません。私は西の出身なので東の訛りとは少し違うと思いますが、その前に『壬生義士伝』で東北の訛りを使う役を演じたときに、方言指導の先生について学びました。その経験があったので、方言を話すことに抵抗がなく、"あまり考えずに臨めた"のが大きかったのかなと思います」
――作品の面白さを伝えるうえで、大事にされたことは?
「本当にみんなでよくお稽古しました。茶屋の場面では、私が夢介として話す前にいろんな人物がやり取りしていて、私はまだセリフがないけれど一緒にそこにいて、会話を聞きながら"こうじゃない?"と意見を交わしていました。1人だけでは間の取り方が分からない部分もありますし、とにかく全員で探り合いながら作り上げていきました」

放送情報【スカパー!】
『夢介千両みやげ』(’22年雪組 宝塚大劇場)
放送日時:2025年10月20日(月) 22:00~ほか
放送チャンネル:時代劇専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
詳しくは
こちら