前田公輝×水沢林太郎「"離婚"を通して描く愛の形」――ドラマ『おいしい離婚届けます』が映し出す、支え合うことの意味
俳優
中京テレビ
――弁護士と探偵という関係を超えて生活を共にする"パートナー"として、2人の関係をどのように理解し演じられましたか?
前田「実は僕、海の目をあまり見ていないんです。家族ってそんなに見つめ合わないし、一緒にいることが"当たり前"の関係だからこそ、自然に存在している空気を出したくて。こんなに相手の顔を見ない芝居は初めてかもしれません。
林太郎くんとは年齢も離れているので、僕がこれまで経験してきた空気感や現場の雰囲気が、彼にとってやりやすいものになるよう意識していました。初対面のときに"僕の延長線上にいるのが前田さんだと思うんです"と言ってくれて、本当にうれしかったですね。その一言で、この先の撮影は大丈夫だなと思えました」
水沢「似ているようで似ていない、でも根っこの部分では通じ合っている関係だと感じていました。それぞれの信念を大切にしながら、お互いを思いやってお芝居をすることを意識していました。撮影を重ねるうちに空気感が自然と変わっていき、それが2人の関係性の深まりにもつながっていたと思います」
――正反対にも見える2人の"違い"が、物語にどんな化学反応を生んでいると感じますか?
前田「依頼人が何を思って相談に来て、何を抱えて前に進もうとしているのか――それを本当に理解できるのは、この2人だからこそだと思います。家では価値観の違いからケンカになることもありますが、それも"本気で愛について考えている2人"だから。そうした真剣さがあるからこそ、依頼人も心を開けるのだと思います。
そして、杏ちゃんの持つ純粋さが加わることで、物語全体が少しやわらかく、温かい空気になる。そのバランスがこの作品の魅力のひとつだと思います」
水沢「家でのシーンは、全体の中でも少し"休憩"できるような場面だと思っていました。2人の違いがあるからこそ互いを補い合えて、温かい空気が生まれている。少しでも笑っていただけたり、リセットできる時間になればいいなと思って演じていました」
中京テレビ
――初めての共演となりますが、お互いの印象は?
前田「林太郎くんは、僕がどんなパスを出しても物怖じせずに受け止めてくれるんです。第1話の"腕枕"のシーンは実はアドリブでした。本番前に軽く段取りを話していたんですが、セリフを少し変えた瞬間にもすぐ反応してくれて。あの年齢でそれができるのは本当にすごいと思いました。
現場では自分のことで精一杯になりがちですが、彼はちゃんと周りを見ていて、"阿吽の呼吸"で芝居をしてくれる。きっと本人も現場を楽しんでくれていたと思います」
水沢「前田さんは、いろんな役を演じられているからこそ"素の前田さんってどんな方なんだろう"と思っていました。でも実際にご一緒してみたら、情熱的で優しさにあふれた方。
現場では周りをよく見ていて、自然と空気を明るくしてくださる存在でした」
――静かな生活シーンで意識された"距離感"について教えてください
前田「林ちゃんが何を考えているか、常に意識していました。顔をじっと見ていなくても、視界には必ず入れていて、彼のテンションや空気感を感じ取るようにしていたと思います。お互い自然に呼吸を合わせられたので、言葉にしなくても通じ合える感覚がありました。
現場では全キャストに対しても、できる限り心地よい距離感を保つことを意識していました」
水沢「クランクインしてすぐ家のシーンを撮ったので、早い段階で関係性ができたのかなと思います。一緒にいながらも一人でいたい時間はお互いにあると思うので、あまり考えすぎず感覚で距離感をつかむようにしていました。結果的にそれが自然な空気感につながった気がします」
放送情報
おいしい離婚届けます
放送日時:2025年10月1日(水)より放送中
チャンネル:中京テレビ・日本テレビ系
詳しくは
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