(C)2025「ショウタイムセブン」製作委員会
一方で「総理大臣の謝罪」や「法外な出演料」といった無理難題を押し付けてくる真意の読めない犯人に翻弄されたり、自身が人質となる中、スタジオ内のある人物が血まみれにされる瞬間を目の当たりにしたり...と、刻一刻と変わる事態に焦りを覚えていく心境の変化も表現。目を大きく見開いた鬼気迫る顔つきや荒ぶっていく声色など、自分の特徴を生かした演技は見応え抜群だ。
さらに白眉はクライマックス。奇行を繰り返す犯人の目的が自分にあることに気づいた折本が、ある真実を、誠意を込めて独白したかと思えば、その直後、思わずゾッとしてしまう異常な狂気が顔を出す。シーンごとに印象が異なる変幻自在の演技で作品を支配する阿部の演技には思わず飲み込まれそうになる。
そんな圧倒的な阿部の怪演に対し、一矢報いるのが後釜のメインキャスター・安積を演じる竜星涼だ。犯人から「折本にだけ話す」と一切相手にされない悔しさや、スタジオに舞い戻り存在感を示す折本に対する嫉妬、キャスターとしての実力差を目の当たりにしての絶望など、ネガティヴな感情が入り混じるキャラクターの人間味を表情で浮かび上がらせている。折本を詰問する見せ場も作り出すなど、存在感を放った。
このほかにも不測の事態にリアルな感情を吐き捨てる新人キャスター・結城役の生見愛瑠、いかにも裏のありそうなプロデューサー・東海林を演じる吉田鋼太郎、かつて折本の相棒だった記者の伊東役で誠実なオーラを放つ井川遥、そして犯人を演じたある人物など、豪華キャストが集結し、緊迫のドラマを作り上げている「ショウタイムセブン」。長きに渡って第一線で活躍し続ける阿部の唯一無二の存在感を堪能するにはうってつけの1作だ。
文=HOMINIS編集部
放送情報
ショウタイムセブン
放送日時:2025年12月6日(土)20:00~
チャンネル:WOWOWシネマ(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合があります
詳しくは
こちら
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