(C)共同テレビジョン 原作 深町秋生「アウトバーン」(幻冬舎文庫)
米倉涼子が主演、アウトサイダーなキレもの刑事を演じたスペシャルドラマが「アウトバーン マル暴の女刑事・八神瑛子」だ。原作は深町秋生の小説「アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子」で、シリーズの1作目をドラマ化したもの。
ちなみに本作が放映された2014年、米倉は女優として脚光を浴び、多忙を極めていた時期。日本版「CHICAGO」でミュージカルデビューを飾った後、渡米して歌とダンスのレッスンを積み、同作で2012年にブロードウェイデビュー、しかもアメリカ人役として日本人初の主演という快挙を果たし、2022年まで「CHICAGO」に出演し続けた。
のちにシリーズ化され、米倉の代表作となるドラマ「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」がスタートしたのも2012年。忖度しないクールな天才外科医役は米倉のハマり役で「私、失敗しないので」という決め台詞が流行語になるほどの高視聴率を記録することになった。
スペシャルドラマで米倉が演じているのは上野中央警察署に勤務している通称"マル暴"こと組織犯罪対策課の刑事・八神瑛子。ピンヒールにミニスカートの派手なヴィジュアルからして警察の人間とは思えないが、副業で警察官に金貸しも行ない、命の危険と隣り合わせの暴力団とも仕事上、繋がりを持つ。
部下に「姐さん」と呼ばれている八神の決め台詞は「一切、手段を選びません」。共演者にも米倉と縁の深い西田敏行を始め、渡部篤郎、陣内孝則、斎藤工、戸田恵子、寺島進、西村雅彦など実力派が揃っている。ヤクザにも署長の富永(渡部)にも怯まず我が道をいく刑事を華やかに演じる米倉の存在感と演技に焦点を当ててみたい。
■カメレオンと評されるヒロインの華やかさとやさぐれ感は米倉ならでは
(C)共同テレビジョン 原作 深町秋生「アウトバーン」(幻冬舎文庫)
千波組の組長(西田)の娘、香澄が何者かに殺害され、ほどなく同じ手口で中国人ホステスが殺害されたことから、浮かび上がったのは連続殺人事件の可能性。被害者の共通点は若い女性で黒髪ロングヘアーであることだ。
そんな中、八神は懇意にしている千波組の甲斐(斎藤)から兄貴分の戸塚(陣内)に会ってほしいと頼まれ、親分の無念を晴らしたいという取引に応じることにする。シチュエーションによって着る服を変え、「まるでカメレオン」と言われている八神を米倉は目線や仕草にまでこだわって演じている。
例えば公園で戸塚と会う時にはレオパード柄のジャケットにティアドロップ型のサングラスをかけ、ビールを飲み干し、そっぽを向いてお代わりを注文。報酬額を聞いて口笛を吹く。立ち去る時には外したサングラスを口にくわえてからかけるなど、百戦錬磨の豪快な姉御の雰囲気を醸し出している。
一方、八神の人脈の大物、中国人マフィアの女ボス・劉英麗(岩下志麻)と会う時にはメイクもワンピースも艶やか。ゴッドマザーにしなだれかかる仕草で、クラブの潜入捜査ではチャイナドレス姿で大輪の薔薇のような笑顔を見せる。強い輝きを放つ米倉は存在しているだけでスター性があるが、役を緻密に作り上げていることがその一挙一動から伝わってくる。
■渡部や陣内と米倉の演技の応酬にも見応え
放送情報
アウトバーン マル暴の女刑事・八神瑛子
放送日時:2025年12月7日(日)13:00~ ほか
放送チャンネル:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽(スカパー!)
出演:米倉涼子、渡部篤郎、斎藤工、寺島進、西田敏行 ほか
※放送スケジュールは変更になる場合があります。
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