所ジョージ×タモリが大暴れで存在感抜群!若き日の柄本明も出演、スターたちが異彩を放つ「下落合焼とりムービー」
俳優
(C)東映・獅子プロダクション
1977年にシンガーソング・コメディアンと称して芸能界デビューし、数多くの冠番組を持って長年活躍している所ジョージ。2024年には日本レコード大賞作曲賞を受賞、2025年に70歳の古希を迎えた現在もテレビで活躍中だ。音楽活動をはじめ、俳優業や雑誌出版、絵画やグッズのプロデュース、果ては発明家としての顔を持つなど、芸能界屈指の多才な人物としても知られている。
若い頃の所は、極めてパワフルでどんな汚れ仕事も積極的にこなし、華もあって女性にも人気があった。何をするかわからない、爆弾男的な印象があり、大いに異彩を放っていたものだ。今回は、そんなパワフルな時代の所が主演した、極めてユニークな映画「下落合焼とりムービー」をご紹介したい。
■漫画家の赤塚不二夫が企画したナンセンスギャグ連発の不思議な作品
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本作は、昭和のナンセンスギャグを凝縮した"爆笑スクランブル巨編"と呼ばれる作品で、 1970年代のアメリカ映画『ケンタッキー・フライド・ムービー』 の日本版を意識したタイトルが冠せられ、全編がショートギャグとパロディで埋め尽くされた"摩訶不思議"な映画である。
物語としては、「大日本下落合大学」 を舞台に、ファッション教育が行われる危険な大学に、浮ついた男・矢車栄二(所ジョージ)が登場。長田総長(近江俊郎)の娘・まり(司美穂)と恋仲になり、大学地下のダイヤ強奪計画など、一応のストーリーこそあるものの、全編がナンセンスなギャグ場面が延々と続き、正直なところ、ほとんど「意味不明」な展開の映画である。
ところが、後年になって本作はコアな映画ファンやサブカル層から注目を集めるようになり、1970年代日本サブカルチャーの空気をそのままフィルムに封じ込めた貴重な記録として、再評価されている。
赤塚不二夫独自のナンセンスと、当時人気を誇ったアングラ演劇的な空気を纏い、さらにテレビ黎明期の実験精神が混在した「昭和カオス映画」として、カルトな人気を誇るに至っている。いわば、"三周廻って面白い"という作品と言えばいいだろうか。タモリをはじめ、後に大物になる人たちの若き日の姿を楽しめる魅力もあるし、映画史・サブカル史の文脈では「完成度ではなく、時代の勢いを見る映画」として、価値のある作品になっている。
当時24歳の所ジョージは、ギャグ場面や歌唱、戦闘シーンからラブシーンまで、体当たりで演じているが、本当に華があって存在感が抜群だ。ハーレー・ダビッドソンに跨って疾走する場面は一見カッコいいのだが、ヘルメットがロサンゼルス・ドジャースの野球用だったりして、どこか間が抜けている。ただ、令和の現代には大谷翔平と山本由伸のドジャースに見えて、むしろカッコよく感じられてしまうのが面白い。









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