所ジョージ×タモリが大暴れで存在感抜群!若き日の柄本明も出演、スターたちが異彩を放つ「下落合焼とりムービー」

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(C)東映・獅子プロダクション

当時のタモリは、全国区の人気タレントになる直前であり、本作は企画した赤塚不二夫の人脈としての出演だったと思われる。ただタモリのギャグは理解が難しく、本作の時点ではまだ世間に受容されるものではなかった。

しかし、「既存の価値観には収まらない異物感を持ったタモリが、特異なギャグで猛威を振るった記録」と捉えれば、貴重な作品だと言える。ウケなどお構いなしに我が道を行く感じのタモリは、ある意味眩しいほど。

山田助教授役の柄本明にしても、現在でこそ貴重なベテラン俳優として映画やドラマに欠かせない存在だが、当時は劇団東京乾電池での活動が全てで、映画出演は本作が2作目。それでも異様な存在感と特異な演技力を発揮し、あくまで「役者」に撤している。まだ世間に"発見"されていない柄本の怪演ぶりを見られる点でも貴重だ。

赤塚不二夫が当時流行した、日本船舶振興会(現日本財団)のCMをパロっている場面は面白い。世間受けはまったく狙わずに、赤塚不二夫を筆頭にスタッフや出演者がやりたい放題やりまくった実験的な作品である。"挑戦"するわけでもなく、ひたすら自分たちが面白いことを全力でやっている。だからこそ力強いし、ある意味ハイセンスでお洒落ですらある。そんな潔さも後年で再評価された一因だろう。

そんな問題作「下落合焼とりムービー」が、東映チャンネルで放送される。これが令和の時代にオンエアされるのは感慨深いが、所ジョージやタモリが現役で頑張っていることを思えば、彼らがまだハチャメチャで尖っていた時代の貴重な映像として、大いに楽しんでもらいたい。

文=渡辺敏樹

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