(C)海野つなみ「逃げるは恥だが役に立つ」(講談社)
新垣と星野はもちろん、大谷亮平、藤井隆、真野恵里菜、成田凌、古田新太と、2人を取り巻くキャスト陣も魅力的な本作。そんな中で、石田ゆり子の好演も光っている。
石田が演じているのは、みくりの伯母・土屋百合。20歳以上離れた姪のみくりから"百合ちゃん"と慕われ、飲み友達のような関係でもあり、みくりの良き相談相手でもある。そんな百合を石田がコミカルな演技で表現。みくりを可愛がり、大事に思うがあまり、平匡との結婚を聞かされた時には頭を抱え、思わず平匡に掴みかかる。「あなた誰!?どこの馬の骨!?」と百合はいたって真剣なのだが、そんな愛に溢れた姿に思わずクスっとしてしまう。
実は百合は、49歳でいまだ男性経験がなく、独身。一方で、化粧品会社で広報としてバリバリと働いており、部下も抱えるキャリアウーマンで、楽しく仕事をして生きている今の人生に満足している。しかし、時折寂しくなることももちろんある。年齢を重ね、孤独や将来への不安が押し寄せる...そんな瞬間を、石田はふとした時に落ちる視線や間のとり方などで静かに表現。いつもは明るく振舞い、場を和ませるような軽やかさで百合を演じいているからこそ、百合の本心を映し出すような静の演技が活きている。また、普段はバリバリと働くかっこいい大人の女性といった風貌だが、みくりと自宅でくつろいでいる時や素で話している時の姿は可愛らしく、そんなギャップも百合の魅力だ。
(C)海野つなみ「逃げるは恥だが役に立つ」(講談社)
みくりと平匡の結婚を知った後も、ことあるごとにみくりを心配したり、平匡との仲を怪しんだりと、いてもたってもいられない様子の百合。そんな姪っ子への想いに溢れた愛すべきキャラクターを演じた石田の好演にも注目しながら、楽しんでいただきたい作品だ。
文=HOMINIS編集部









