松山ケンイチ×染谷将太×福田雄一監督、シュールな世界観を見事に実写化した「聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団」
俳優
(C)中村光/講談社 (C)2024映画「聖☆おにいさん」製作委員会
滅多なことでは惑わされず、温厚な性格で地に足がついた日々を送っているブッダに対して、落ち着きがなくわがままで、無駄使いをしてはブッダに怒られる自由人がイエスだ。前半では年末の福引で一喜一憂するセクションなど、ショートドラマでもおなじみの下界での平和な暮らしが描かれ、「聖☆おにいさん」の初心者でも作品の世界に入りやすい構成。
その後、2人の住むアパートを聖なる存在・梵天(賀来)、帝釈天(勝地)、天使長・ミカエル(岩田)が訪ね、「亡くなる直前の人たちの脳内にヒーローものの映像を流したいからキャストとして出演してほしい」と頼まれるところから、ストーリーはカオスな展開に突入する。演説並みの熱量で2人を説得する焚天や、なぜか突然踊り出し、ラップをするミカエル。あまりのことに口を"ポカーン"と開けたり、彼らのテンションに押されて珍しくしおらしくなったりするイエスを演じた松山の一挙一動が最高だ。なんだかんだでイエスとブッダはヒーローになることを許諾し、立川のアパート近辺から飛び出すことになる。
■憧れの存在を前にモジモジするイエスはかわいさ全開
撮影は決まったものの脚本家が決まらず、議論の末、ヨハネ(神木)と十一面観音(仲野)が共同で執筆することに。憧れの存在である十一面観音を前にしたイエスは緊張でたちまち震え出し、ブッダから冷ややかな目で見られる。初対面の2人がゲームの話で仲良く盛り上がり、衝撃を受ける様子もおかしく、調子に乗りがちなイエスを演じる松山が思わぬ表情や仕草を見せるのも見どころだ。
煩悩の化身である悪魔・マーラ(窪田)や堕天使・ルシファー(藤原)、イエスの父親でもある戦いの仙人(佐藤)など、次々に強烈なキャラクターが登場する本作。染谷と松山は後に撮影を"アドリブ合戦だった"と振り返っているが、個性の強いキャストたちの想定外のセリフや行動を受け、真ん中に立つ主役のイエスとブッダはどう返すのか?神も仏も天使も悪魔も入り乱れる奇想天外バトルを、松山と染谷の演技に照準を合わせて鑑賞するのも、ひとつの楽しみ方かもしれない。
文=山本弘子









