(C)桜沢鈴/ぶんか社
佐藤健が演じるのは、麦田章という青年。物語の前半では、ある時はバイク便、ある時はフラワーショップ、タクシードライバーにリサイクル会社...と、アルバイトを転々としている上に、いつも配達先や漢字を間違えている。いわゆる"おバカキャラ"のような立ち位置で登場し、チャラいイメージも受けるのだが、後半では亜希子たちと深く関わっていくことになる。
実は章は、亜希子たちが暮らす街に店を構える人気店「ベーカリー麦田」の跡取り息子。店をたたむと言う父と喧嘩別れし、半ば無理やり店を継いで店長になったものの、適当な性格ゆえにうまくいかず、いつしか従業員もいなくなってしまう。1人で寂れた店をいい加減に経営していたが、ひょんなことから亜希子が従業員となり、ともに店の再建を目指すことに。当初は面倒くさがりでだらしなく、軽薄な印象を受けるが、真面目すぎる亜希子とぶつかり合いながらも、いつしか真剣に店のことを考えて努力するようになっていく。口も態度も悪いが、徐々にその裏にある不器用さや優しさが垣間見えてくるから憎めない。
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そんな章を佐藤は、テンポの良いセリフ回しとコミカルな表情で好演。一方で、章が店のことを真剣に考え始めた時には、まっすぐなまなざしで彼のひたむきな一面もしっかりと表現している。コミカルさだけではなく、章の熱意や、父との関係における葛藤、そして淡い恋心まで丁寧に映し出す佐藤の演技が、章というキャラクターに深みを与えている。
物語の主軸となる亜希子とみゆきを演じた綾瀬と上白石はもちろん、竹野内や佐藤など、キャストそれぞれの演技が光る本作。愛に溢れる物語を、各キャラクターにも注目しながら楽しんでいただきたい。
文=HOMINIS編集部









