三田佳子の風格溢れる演技に魅了される!強い個性を放つ西田敏行、役所広司との共演も必見、大型時代劇スペシャル「愛に燃える戦国の女」−豊臣家の人々より−
俳優
2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」が好評放送中だが、戦国時代を描いた映像作品の人気は、やはり根強いものがある。ただ、女性を主人公に戦国時代を描いた作品は、「おんな太閤記」(1981年)をはじめ、「江~姫たちの戦国~」(2011年)、「おんな城主 直虎」(2017年)などがあるものの、大河ドラマ以外で見渡しても極めて少ないのが実情だ。
そんな中で、女性が主人公の異色の戦国ドラマをご紹介したい。タイトルは「大型時代劇スペシャル『愛に燃える戦国の女』-豊臣家の人々より-」(1988年、TBS系)。主人公は、「円融院」の名で知られる女性・おふく。豊臣五大老の1人である宇喜多秀家の母で、本作では三田佳子が演じている。
数奇な運命に翻弄されながら、戦国時代を生き抜いた女性の物語として、よくぞ映像化に踏み切ったと思わされる。秀家はともかく、夫の宇喜多直家にしても戦国ファンにはおなじみだが、一般的な知名度は高くないはずだ。
■戦国の世に翻弄される女性・おふくを演じた三田佳子
永禄12年秋。おふく(三田佳子)の波乱の物語は、高田城落城の日から幕を開ける。尼子勢に攻められ、三浦貞勝(役所広司)の妻・おふくは侍女・梢(中田喜子)と息子・桃寿丸を連れて辛くも脱出するが、夫は行方不明となる。岡山に逃れたおふくは、宇喜多直家(山城新伍)に救出されて、やがて彼の妻におさまった。息子の八郎が8歳になったとき、飛ぶ鳥を落とす勢いだった羽柴秀吉(西田敏行)に八郎が人質に取られてしまう。
傷心の直家は病床に伏せるが、病のことは固く口止めした。秀吉は八郎を養子とすることを直家に約束したが、ほどなく直家は病に倒れて死亡。戦乱の世にあって城主の死を公表することもできないおふくは、葬儀もできず悲嘆にくれる。そんな中で本能寺の変が勃発し、信長亡き後の世は豊臣秀吉の天下となり、おふくは秀吉の側室として、大阪城内に引き取られていくのだった...。
本作の魅力は、戦国の世に翻弄された「おふく」という女性にスポットを当てて、彼女の波乱の生涯を描き切った点にある。自らの信念と母としての愛を胸に、戦国の荒波の中で人生を切り開いた「戦国女性ドラマ」として、貴重な一作といえる。
史料どころか、原作小説でもわずかな記述しかない人物を主役として、脚本家と制作陣が深く掘り下げてドラマ化した勇気も称えたいが、何よりも本作は「三田佳子でなければ成立しなかった」といっていい。三部構成でおふくの20代・30代・40代と、戦国の激動を描く構成も秀逸だったが、それも三田佳子の実力ゆえだろう。









